2016 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の治療標的を目指した軟骨細胞メカノトランスダクション機構の解明
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16H06263
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小川 寛恭 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任助教 (70464104)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節軟骨 / 変形性関節症 / メカノトランスダクション / 軟骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
mmp13プロモーター制御下にGFPを発現する軟骨細胞を使用して、運動刺激によるMMP13発現を抑制するsiRNAを同定するためにゲノムワイドスクリーニングを施行した。 mmp13プロモーター制御下にGFPを発現する細胞樹立において、BAC recombination法によるtransgene手技と、CRISPRによるknock in手技でGFP発現細胞を作成した。CRISPRで作成したGFP発現細胞はBACで作成した細胞よりGFP発現量が少なく、BACで作成したmmp13 promoter GFP細胞をスクリーニングで使用することとした。計画では、アデノシンを投与してGFPを発現させ、GFPを抑制するsiRNAをFACSで同定する予定であったが、アデノシンではFACSで分離に十分なGFP蛍光強度を得られなかったため、アデノシンシグナルの下流のシグナル分子に着目し、運動刺激によりこのシグナル分子Xが活性化するとGFPが発現する新たな細胞実験系を確立した。この実験系では、運動刺激によるシグンル分子Xの活性化で十分なGFP強度が得られることを確認した。新たな実験系の確立に時間を要した。現在、全ゲノムCRISPRレンチウイルスライブラリーの準備が整い、シグナル分子Xを利用した全ゲノムスクリーニングを行える状況が整った。また、DNAアレイ、転写因子アレイの結果から、運動刺激ではカルシウムシグナルが活性化していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アデノシンによりMMP13依存性GFP傾向強度が予想より遥かに低かったため、最も重要な実験であるゲノムワイドスクリーニングが予定通りは行えなかった。そのため、新たなスクリーニング実験系を確立するために時間を要した。新たなスクリーニング系は予備実験で機能することが確認できたため、今年度はまず、運動刺激によるMMP13発現を制御する遺伝子をゲノムワイドスクリーニングで同定する。重要な実験で、実験系の問題が生じたものの新たな実験系の確立でリカバリーすることができ、ゲノムワイドスクリーニングは平成30年度までに終了予定であるため、十分に予定期間内に行うことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
MMP13発現に関連するシグナル経路及び関連節を同定するためにゲノムワイドスクリーニングが最も重要な実験に位置付けている。当初の予定のスクリーニング実験系は機能しなかったが新たに有効なスクリーニング系を確立するために実験計画に遅れを生じたが、まずは新たなスクリーニング系でMMP13関連遺伝子を網羅的に同定する。この結果と、関連転写因子アレイ、キナーゼアレイの結果とあわせてMMP13制御シグナル経路を決定する。関連シグナル分子それぞれをつぶさに細胞実験で検証していく。興味深い分子が見つかった場合は、新たにマウス実験へ発展させる予定。
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