2016 Fiscal Year Annual Research Report
Lifestyle and Brain Function: Inquiry in Psychological Science into Successful Aging
Project/Area Number |
16H06325
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
積山 薫 京都大学, 総合生存学館, 教授 (70216539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 衛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20452881)
月浦 崇 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30344112)
樋口 貴広 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30433171)
寺本 渉 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (30509089)
山田 実 筑波大学, 人間系, 准教授 (30525572)
阿部 修士 京都大学, こころの未来研究センター, 特定准教授 (90507922)
西口 周 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (60780137) [Withdrawn]
松田 哲也 玉川大学, 付置研究所, 教授 (30384720)
伊賀崎 伴彦 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70315282)
四本 裕子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580927)
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Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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Keywords | 可塑性 / 認知機能 / 加齢 / MRI / 脳 / 行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、スポーツマスターズ研究、運動介入研究、音楽介入研究、音楽マスターズ研究、多感覚統合研究、歩行制御研究、世代間交流研究などの研究項目について準備、実施等をおこなった。これまでに解析結果等が明らかになった主な項目について、以下に述べる。 【スポーツマスターズ】長期的な運動習慣が高齢者の認知機能維持に効果をもつかどうかを調べるために、1つのスポーツを15年以上続けている運動群とあまり運動していない非運動群の高齢者を対象に、認知機能検査やfMRIによる横断的な比較をおこなった。運動群は非運動群に比べ、fMRIで測定した運動イメージ課題中の大脳基底核の活動が有意に高く、より実際の身体運動に近いイメージ操作をおこなっていることがわかった。ただし、行動成績は両群で差がみられず、今後の方針として、1)大脳基底核の高い活動の意味をより明確にするため、大脳基底核の体積の群間比較をおこなう、2)数年後に両群の縦断的な変化を調べる、などの展開が考えられる。 【音楽介入】音楽訓練経験のない高齢者に楽器演奏訓練に取り組んでもらうことで認知機能が向上するかどうかを、ランダム化比較試験のデザインでおこない、認知機能の変化を訓練群と待機群で比較した。その結果、訓練による有意な介入効果がエピソード記憶でみられた。 【多感覚統合】高齢者の身体近傍空間における感覚間相互作用の特性が運動機能と関連があるかどうかを調べた。その結果、高齢者は若年者よりも感覚間相互作用が過剰に起こりがちで、その程度は運動機能が低下しているほど大きいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、比較的多数の高齢者を対象にした3ヶ月にわたる介入の効果を複数期にまたいでデータ収集する研究項目を含み、その実施のみならず前後に実施するfMRIによる脳機能データの解析にもかなり時間を要する。そのため、明確な結果が出ている研究項目は限られるが、各研究項目の実験は進行しており、総合的に見た進捗としては計画に照らしておおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
解析が未完了のデータについては、その解析を進め、論文にまとめる。また、思ったような単純な結果が出なかった研究項目についてはさらなるデータ収集やデータ解析を進め、これまでのデータを生かせるようなまとめを試みる。
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Research Products
(46 results)