2016 Fiscal Year Annual Research Report
免疫チェックポイント分子PD-L1を標的とした頭頸部扁平上皮癌に対する免疫治療
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16H06609
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
平田 結 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (60646066)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | PD-L1 / 癌免疫療法 / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部扁平上皮癌の新たな治療法として発展している免疫治療において、標的となる癌抗原として免疫チェックポイント分子PD-L1に着目する。 PD-L1は様々な悪性腫瘍での発現上昇が知られており、腫瘍細胞上のPD-L1と腫瘍内リンパ球表面上のPD-1分子が結合することにより、免疫細胞への抑制性シグナルによって免疫逃避が生じるとされる。 近年免疫チェックポイント分子であるPD-1/PD-L1 pathwayの阻害による癌免疫療法が注目を集めている。そこで、PD-L1由来のエピトープペプチドを同定し、そのペプチドを用いてヘルパーT細胞クローンを樹立し、その抗腫瘍効果や免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体といった分子免疫標的薬との融合を目指した研究基盤を確立する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頭頸部扁平上皮癌細胞株を中心とする悪性腫瘍細胞株のPD-L1発現をフローサイトメトリーにて評価し、いずれも発現を認めた。臨床検体(当科で治療を施工した中咽頭癌症例)を対象に、免疫染色でPD-L1発現の有無を評価し、69%の症例で発現を認めた。 コンピューターアルゴリズム解析を用いて、PD-L1全アミノ酸配列中のHLA-DRとの結合能を有するヘルパーエピトープペプチドを数種類同定した。健常人末梢血から分離したCD4陽性ヘルパーT細胞とヘルパーエピトープペプチドとの共培養により、PD-L1特異的なCD4陽性ヘルパーT細胞クローンが樹立された。 樹立されたCD4陽性ヘルパーT細胞位クローンはPD-L1特異的HLA-DR拘束性であり、PD-L1陽性悪性腫瘍細胞株への腫瘍応答性、抗腫瘍効果を有することが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
nude mouseにヒト悪性腫瘍細胞株を移植し、誘導されたPD-L1特異的CD4陽性ヘルパーT細胞クローンによる抗腫瘍効果を検討していく。マウスに移植された悪性腫瘍が形成した腫瘤の免疫組織学的検討も行う。 また、当科で治療した頭頸部扁平上皮癌患者の組織検体で免疫組織学的にPD-L1発現の有無を確認し、さらに免疫細胞の分布はMHC発現の状況についてもさらに検討を進める。予後との相関を確認するべく、さらに加工の症例に遡って症例数を増やしさらなる検討をしていきたい。
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Research Products
(3 results)