2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fontan循環非臨床試験システム構築による小児用超小型肺循環補助装置の開発研究
Project/Area Number |
16H06618
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 昭博 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (40781448)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / Fontan循環 / 肺循環補助装置 / 形状記憶合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢社会の到来に伴い、先天性心疾患患者の外科治療においても、人工臓器を用いた循環補助の実用化への社会的ニーズが急速に拡大しており、小児用超小型肺補助循環デバイスの開発を進めている。本研究では、動物新鮮摘出肺の血管構造力学解析と右心系血行力学的モデリングに基づく複雑な血行動態を再現可能な高機能肺循環模擬循環回路試験システムの開発と、先天性心疾患の臨床病態生理に基づくFontan循環動物実験モデルによる総合的評価試験系を構築する。先天性心疾患の複雑な病態生理学的にも高度な再現性をもつ肺循環シミュレーションシステムを構築し、Fontan循環補助デバイスの有効性を評価検討することを目的としている。本年度は、健常成山羊から摘出した新鮮摘出肺を陰圧拍動循環肺ケーシングへ接続し、拍動型流体シリンダ型リニアアクチュエータにより胸腔内を模擬した陰圧変動(呼吸変動)を再現する肺モデルの開発を試みた。本研究で提案したモデル回路は、新鮮摘出肺を、直動モータで胸腔モデルに接続し、右心室を模擬したポンプにより拍動流の生成が可能であった。本モデル循環回路により得られた血行動態データ解析結果から、肺血管インピーダンスが定量的に解析可能であった。形状記憶合金をアクチュエータとして応用した超小型肺循環補助装置の改良型デバイスを製作試作し、性能評価試験を実施した。今後は、動物実験データと比較したデータ解析により、肺血管力学的構造解析に基づく、機械式肺循環末梢血管モデルのより高精度な生体環境を再現可能なシステムが構築可能となると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、現在開発を進めている小児用超小型肺循環補助装置の右心環境下での駆動評価試験を実施するため、動物新鮮摘出肺の血管構造力学解析と右心系血行力学的モデリングに基づく複雑な血行動態を再現可能な高機能肺循環模擬循環回路試験システムの開発を行った。ハイブリッドモックシステム構築のため、健常成山羊から摘出した新鮮摘出肺を陰圧拍動循環肺ケーシングへ接続し、拍動型流体シリンダ型リニアアクチュエータにより胸腔内を模擬した陰圧変動(呼吸変動)を再現する肺モデルの開発を試みた。生体肺と機械循環システムが高度に融合する本提案モデル循環回路は、新鮮摘出肺を、直動モータで胸腔モデルに接続し、右心室を模擬したポンプにより拍動流の生成が可能であった。本モデル循環回路により得られた血行動態データ解析結果から、肺血管インピーダンスが定量的に解析でき、肺循環の高度な再現を実現するための、基礎データが得られた。また、形状記憶合金をアクチュエータとして応用した超小型肺循環補助装置の改良型デバイスを製作試作し、低圧循環環境下での水力学的性能評価試験を実施した。本デバイスにより肺循環に拍動性を付与することの可能性を示唆するデータを得た。今後は、本提案モデル循環システムで得られたデータと動物実験により得られた生体データとを相互比較したデータ解析により、肺血管力学的構造解析に基づく、機械式肺循環末梢血管モデルを構築する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに新鮮摘出肺を用いた陰圧変動胸腔モデルを作成し、健常肺モデルの流体力学的特性の基礎試験を実施した。本モデル回路は、新鮮摘出肺をリニアモータで胸腔モデルに接続し右心ポンプにより拍動流の生成が可能であった。本モデル循環回路により、肺血管インピーダンスを定量的に解析可能であり、動物実験データと比較したデータ解析の必要性が考えられた。また、小児用肺循環補助デバイスを試作し、有効な拍動性能を得ている。 今後は、試作したデバイスの本モデル回路での駆動評価試験を行い基礎特性を得る。モデル試験の結果を基に改良したデバイスをFontan循環の病態生理動物実験モデルにより、生体内埋め込み後のFontan循環への有効性を評価する。上下大静脈と肺動脈を人工血管を介して吻合する、Fontan手術(EC-TCPC術)を成山羊に施行し、Fontan循環動物実験モデルを構築する。先天性心疾患モデル動物は、体循環維持が課題となるが、左心補助人工心臓を用いることで、健常成山羊でも比較的容易に先天性心疾患の特殊な肺循環を再現する急性動物実験モデルが構築可能となると考えられる。急性動物実験モデルにより、Fontan循環の血行動態の各種パラメータを調査するとともに、生体内での肺循環補助デバイスの有効性を調べる。動物病態モデルとハイブリッドモデル循環回路の各種パラメータとの関連性を解明し、デバイスのFontan循環時の肺血流評価を実施することで、定常血流時の肺血行動態の詳細解明につながると考えられる。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Thermodynamic Effect on Fontan Circulation Assist Device2016
Author(s)
Akihiro Yamada, Yasuyuki Shiraishi, Hidekazu Miura, Yusuke Tsuboko, Yasunori Taira, Yusuke Inoue, Homma Dai, Masaaki Yamagishi, Tomoyuki Yambe
Organizer
Thirteenth International Conference on Flow Dynamics
Place of Presentation
Sendai International Center(宮城県・仙台市)
Year and Date
2016-11-10 – 2016-11-12
Int'l Joint Research
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