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2016 Fiscal Year Annual Research Report

バイオフィルムに着目した、整形外科術後インプラント感染の治療法の検討

Research Project

Project/Area Number 16H06906
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

西谷 江平  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (70782407)

Project Period (FY) 2016-08-26 – 2018-03-31
Keywords骨髄炎 / バイオフィルム / 黄色ブドウ球菌 / インプラント感染
Outline of Annual Research Achievements

整形外科において人工関節手術は年々増加しており、手術自体の増加に伴い術後感染数も増加している。整形外科術後インプラント感染が難治性である主要因としてバイオフォルム形成が挙げられる。整形外科における黄色ブドウ球菌によるインプラント感染は再置換術を要することが多いが、初期のインプラント感染は洗浄手術及び抗生物質点滴などインプラント温存が可能であることがある。平成28年度においては我々の施設においてステンレスインプラントを使用して黄色ブドウ球菌骨髄炎を引き起こし、走査電子顕微鏡を用いてインプラント上のバイオフィルムを定性的・定量的に解析できることを確認した。また黄色ブドウ球菌骨髄炎が慢性期に入り、バイオフィルムが成熟した14日目以降に抗菌薬を投与しても、バイオフィルム感染は治療することはできないことを確認した。また、周術期に使用する抗菌薬(セファゾリン、バンコマイシン、リファンピシン、ゲンタマイシンなど)を使用し、術前から抗菌薬を使用することにより、バイオフィルム形成に抵抗性の強い抗菌薬の組み合わせを現在確認中である。バイオフィルム形成に抵抗性の強い抗菌薬が確認されれば、術前投与に至適な抗菌薬(の組み合わせ)を知ることにより術後感染の減少に役立つ可能性があると考えている。また、本研究の最終的な目的は整形外科インプラント感染の初期治療のために、感染後どの時期までなら抗生物質によりバイオフィルム形成を阻害しインプラント温存の可能性があるかの検討とであり、こちらも整形外科骨髄炎治療に頻用される抗菌薬を用いて現在実験を継続中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

技術的に最も難しいと思われた走査電子顕微鏡でのバイフォルム同定のための実験を行い、in vivoバイオフィルムの撮像が我々の施設でも可能であることが確認された。また使用する抗菌薬の種類、濃度なども決定され既に動物への投与実験も開始されている。よって概ね計画通り進行していると考える。

Strategy for Future Research Activity

これまでバイオフィルムを破壊、除去するための殆どの研究はin vitroで行われてきたが、in vitroのバイオフィルムが細菌由来からのみ成り立つのに対して、in vivoのバイオフィルムは細菌と宿主の因子のハイブリッド構造となっている。研究者はこの細菌と宿主からなるバイオフィルムを走査電子顕微鏡(SEM)を用いて定量的、定性的に評価する方法を確立しており実際にin vivo でバイオフィルムを薬品が予防・破壊することができるのか、できるとするならばどの段階のバイオフィルムまでであるのかを検証することができることが本研究の特色である。我々がこれまでに確立したモデル・方法を用いてマウス脛骨にインプラント感染を起こす。術前より薬物療法を行い、マウスの手術部の腫脹、膿瘍の程度を観察するしマウスよりインプラントを摘出する。インプラント上のバイオフィルムをSEMを用いて定量的、定性的に評価する。これによりバイオフィルムの形成予防により効果的な抗菌薬の同定を行う。次に予防効果の強かった抗菌薬の単剤もしくは組み合わせを用いて、術後様々なタイムポイントより化学療法を開始する。化学療法の効果をマウス手術部の腫脹、膿瘍の程度などで観察する。インプラントを摘出しSEMを用いてバイオフィルム形成を阻害できたか、もしくはバイオフィルムを破壊できたかを検討する。これによりある程度バイオフィルムが形成されていても抗菌薬によりインプラント温存治療が可能であるかどうかを検討する。最後に易感染性モデルである糖尿病モデルマウスを用いて抗菌薬投与によりインプラント温存が可能であるかを検討する。糖尿病マウスが難しければ、免疫不全マウスでの実験を検討する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] インプラント感染マウスモデルにおいて黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌による感染形態の比較検討~なぜ表皮ブドウ球菌は慢性感染の原因となるのか、2016

    • Author(s)
      西谷江平、伊藤宣、Edward M. Schwarz、松田秀一
    • Organizer
      第31回日本整形外科学会基礎学術集会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    • Year and Date
      2016-10-13 – 2016-10-14
  • [Presentation] マウス黄色ブドウ球菌感染モデルを用いた、インプラント上でのバイオフィルム成熟過程の定量的定性的評価2016

    • Author(s)
      西谷江平、伊藤宣、Edward M. Schwarz、松田秀一
    • Organizer
      第31回日本整形外科学会基礎学術集会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    • Year and Date
      2016-10-13 – 2016-10-14
  • [Presentation] マウス黄色ブドウ球菌感染モデルを用いた、インプラント上でのバイオフィルム成熟過程の定量的定性的評価、2016.09.302016

    • Author(s)
      西谷江平、伊藤宣、松田秀一
    • Organizer
      第127回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会
    • Place of Presentation
      まつもと市民芸術会館、ホテルブエナビスタ(長野県松本市)
    • Year and Date
      2016-09-30 – 2016-10-01

URL: 

Published: 2018-01-16  

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