2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Empirical Reserch about the Influence of Capital Investment of Japanese Firms' on Stock Market
Project/Area Number |
16H07314
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
太田 裕貴 静岡産業大学, 情報学部, 講師 (70779834)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 設備投資 / 株式市場 / 将来業績 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、わが国企業の設備投資が株式市場に与える影響を明らかにすることである。 設備投資が株式市場に及ぼす影響については異なる2つの見解が存在する。1つは、設備投資は経営者が企業価値最大化を達成するために実行されることから、株式市場は設備投資をポジティブに評価するという見解である。もう1つは、経営者と資金提供者(債権者あるいは投資家等)の間に存在する情報の非対称性の問題に起因して、経営者は自身の利潤最大化にはつながるものの企業価値を棄損する設備投資を行う可能性があることから、株式市場は設備投資をネガティブに評価するという見解である。わが国企業を分析対象とした場合、いずれの見解が妥当性を有するかは実証的課題であると言える。 本研究は以下の4点を実証的に検討した。第1に、設備投資の適時開示に対する株式市場の評価を検証した。その結果、成長性が相対的に高い(低い)企業では、適時開示日において設備投資をポジティブ(ネガティブ)に評価することが明らかとなった。第2に、設備投資が将来業績に及ぼす影響を検証した。企業価値最大化につながる設備投資であれば将来業績の向上が期待される。一方、経営者が自身の利潤を追求するものの、それが資金提供者の利潤最大化には結びつかない設備投資の場合、将来業績の悪化が懸念される。実証分析の結果はこれらの予想を支持していた。 第3に、設備年齢が将来業績に及ぼす影響を検証した。そして、設備投資が将来業績に与える影響を検討する際には、設備投資額だけでなく、企業が有する設備年齢を考慮する必要があることを指摘した。第4に、株式市場がネガティブに評価すると考えられる非効率な設備投資を行っている企業の財務報告の品質が相対的に低いことを明らかにした。 また、これらの分析と合わせてわが国企業の設備投資に関する基礎調査も行った。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)