2016 Fiscal Year Annual Research Report
老化モデルを用いたアミノ酸関連物質の抗サルコペニア作用に関する研究
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16J00001
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐藤 友紀 岩手大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | サルペニア / オートファジー / アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
老化促進モデルSAMP8にL-リジンを添加した食餌を与え、抗サルコペニア効果を検討した。その結果、SAMP8では加齢依存的な骨格筋量の減少が確認されたが、L-リジンの摂取で筋量が維持される傾向が見られた。しかし、その抗サルコペニア効果は十分とは言えず、アミノ酸以外の抗サルコペニア食材とアミノ酸を組み合わせることが有効と考えられた。 サルコペニアの発症には酸化ストレスが関与する可能性が示唆されていることから、抗酸化能を有するN-acethyl-L-cysteinの使用を想定していたが、日本過酸化脂質・抗酸化物質学会において継続摂取時の副作用が示唆されていたため、他の抗酸化物質を検討した。アミノ酸と同様に生体内の構成単位である還元型コエンザイムQ10(QH)には抗酸化作用が報告されている。過酸化水素に曝露したC2C12筋管細胞をQHで処理した所、活性酸素種(ROS)の顕著な減少とオートファジーの抑制作用が確認された。 この結果を受け、SAMP8に、QHを単独で、又はL-リジンとQHの両方を添加した食餌をおよそ4か月間与え、骨格筋量や骨格筋タンパク質代謝に及ぼす効果を検討した。QHの摂取による骨格筋タンパク質分解抑制作用や骨格筋タンパク質合成促進作用は確認されなかったが、QHの摂取によってSAMP8で生じる加齢依存的な摂食量の減少が顕著に抑えられた。また、QH添加食を摂取したSAMP8の骨格筋重量は通常食を摂取したSAMP8と比較して重い傾向が見られた。したがって、摂食調節ホルモンの量や感受性を改善することによって加齢依存的な食欲の減退を抑え、骨格筋量の維持に寄与すると考えられた。 以上より、L-リジンの摂取は加齢時に骨格筋で亢進した非選択的オートファジーを抑制し、骨格筋量の維持に働くこと、QHの摂取は加齢による食欲の減退を抑え、骨格筋量の維持に寄与することをそれぞれ示唆した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)