2016 Fiscal Year Annual Research Report
West African consumers and global economy in the late nineteenth century: The case of demand for Indian cotton textiles
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16J00121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 和夫 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | グローバル・ヒストリー / 西アフリカ / 19世紀 / インド綿布 / 消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の課題は、19世紀後半の西アフリカにおけるインド綿布の輸入動向を数量的に把捉することである。夏にイギリスに渡航して、LSE図書館に所蔵されているフランスの貿易統計から同商品の貿易データを収集したうえでデータベースを作成した。それをすでに所有しているデータ(1827年から1850年まで)と組み合わせたところ、1827年から1900年までの西アフリカ(とくにセネガル)におけるインド綿布の輸入量が全体的に増加傾向にあったことを確認できた。国立公文書館では、植民地統計からガンビアの落花生輸出貿易に関するデータを中心に収集した。他方でフランスのジロンド県文書館も訪問して、19世紀半ば以降のセネガルにおけるインド綿布貿易にかんする記述資料を収集した。
その一方で、本研究課題を大きな歴史的文脈のなかに位置付けるために、19世紀前半にも焦点をあてた研究成果を発表した。まずAfrican Economic History誌に投稿した論文‘Indian Textiles and Gum Arabic in the Lower Senegal River: Global Significance of Local Trade and Consumers in the Early Nineteenth Century’が掲載決定となった。また6本(日本語2本、英語4本)の口頭発表を行った。そのなかで、2017年3月18日の国際共同セミナーで行った口頭発表については、論文集に収録するため発表原稿を改稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年7-8月に行った資料調査では、引き続き収集しなければいけない資料を残したものの、投稿した論文が、アフリカ経済史研究の主要学術誌から掲載されることが決定したように、早い段階から研究成果の発表を行うことができた。これに加えて、海外のジャーナルに投稿して審査中の論文が1本あり、英語論文集に収録するために依頼された論文を1本執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
夏に収集してきた資料を読み込むことで、研究課題をさらに推進したい。2017年度も夏にイギリスにて資料調査を行い、19世紀後半の西アフリカにおける綿布貿易の動向を明らかにする。
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