2016 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期におけるふりの理解の発達的変化:人形―大人の関係性に着目して
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16J00869
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大塚 穂波 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | ふり遊び / 人形 / 心的表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,幼児期におけるふりの理解の発達的変化と人形の役割について,2つの実験を実施した。先行研究より,ふりの理解には外的特徴の理解および内的特徴の理解という質的に異なる2段階があると考えられる。この点について,研究1では,ふりの内的特徴に対応する心的表象に対する理解について検討を行った。年長児30名を対象に,異なる2種類の対象物を呈示した上で,一方は人形が気に入っており,他方は実験者が気に入っていることを表した。その後,人形が「もっと遊びたいな。おもちゃをちょうだい」と言って,いずれかのおもちゃを渡すよう要求する(人形条件),あるいは同様の要求を実験者自身が行った(実験者条件)。既に実施済であった年少児・年中児の結果と合わせて分析を行った結果,ふりの心的表象についての理解は年長児のみ可能であることが明らかとなった。研究2では,研究1の結果について,大人の人形操作の影響を検討した。年少児・年中児・年長児45名を対象に,半数の子どもには研究1と同様の手続きを実施した。残りの半数の子どもには,実験者が人形を操作するのではなく,言語での教示のみ行った。その結果,年少児および年長児において,大人の人形操作の影響がある可能性が示唆された。以上の研究結果から,5歳ごろにふりの理解の質的な変化が起こり,その背景には人形を操作するかどうかといった大人のふるまいが影響を与えていることが考えられるが,今後は特に研究2において参加児を増やし,さらなる詳細な検討が必要である。以上の研究成果について,2つの国内学会におけるポスター発表および口頭発表,2つの国際学会でのポスター発表を行った。また,既に実施した研究に関する実験論文およびふり遊びにおける人形の役割のついてのレビュー論文を執筆しており,国内誌に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の年次計画では,2種類の実験の実施およびレビュー論文の執筆を本年度に予定していた。これらはすべて行うことができ,ふりの理解の発達的変化が5歳ごろに起こること,その背後には大人のふるまいが影響を与えているという重要な知見を示すことができた。それに加え,国内外での学会にて研究成果を発表したことで,海外と日本の子どもが行うふり遊びの共通性や,「心の理論」との関連における重要な示唆を得ることができた。以上の理由により,本年度は当初の計画以上に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,本年度に実施した実験のデータを増やすとともに,これらの成果を論文にまとめ,学会誌に投稿する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] How do young children share pretend play?2016
Author(s)
Otsuka Honami
Organizer
24th Biennial Meeting of the International Society for the Study of Behavioural Development
Place of Presentation
Radisson Blu Hotel Lietuva, Vilnius, Lithuania
Year and Date
2016-07-10 – 2016-07-14
Int'l Joint Research
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