2017 Fiscal Year Annual Research Report
高速なヒトDNA解読実現のための小規模計算機システムの構築
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16J01690
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
曽我部 陽光 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | FPGA / GPU / 遺伝子情報処理 / 計算機システム / ヘテロジニアスコンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒトの塩基配列決定のための情報処理(ショート・マッピング)を、パーソナルコンピュータ(ホストPC)とPCI Expressによって接続された書き換え可能なLSIであるFPGA(Field Programmable Gate Array)及び画像処理用のプロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)という小規模な計算機システムで、高速処理を実現することを目標とする。 本研究では、初めに同種のデータを集め、集められたデータを大規模並列に比較することで高速化を図る並列処理手法を提案した。本手法は、総比較回数が従来手法より増加する一方で、メモリアクセスに対する要求を大幅に減らし、増加した総比較回数も並列処理することで全体として高速化を実現している。 本手法の有効性を示すために、FPGA及びGPUシステム上に実装し、実データを用いて性能評価を行い、従来のソフトウェアと比較して、FPGAシステムで約18倍、GPUシステムで約8倍の高速化を達成することを示した。この性能は、一人分のDNA配列の決定に必要な情報処理をそれぞれ約1時間、約2時間で処理できる性能であり、本手法を用いれば、小規模な計算機システムでありながら実用的な時間でヒトの塩基配列決定を実現できることを示した。 最後に、本研究の計算機システム分野における貢献を述べる。本研究の対象とした処理は、潜在的な並列性が非常に高い一方で、大規模なデータに対して局所性が低い参照を頻繁に行う問題である。このような問題は、ランダムアクセスによるメモリ転送速度がボトルネックとなるため、並列処理で大幅な高速化を実現することが難しいと考えられて来た。本研究は、その定説に挑戦したものであり、本研究の成果を通して、他の同様の問題に対しても、突破口のヒントを与えうるものである。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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