2018 Fiscal Year Annual Research Report
マニラにおける貧困世帯と災害:再定住地の共同性の再構築に関する研究
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16J01842
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西尾 善太 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科東南アジア専攻, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 災害 / 再定住 / リスク管理 / スラム / マニラ首都圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度は2018年3月に南山大学でおこなったシンポジウムの内容を発表者とともに1)論文集とするためにフレームワークを再考し、2)加えて6ヶ月のフィールドワークをおこなった。論文集にかんして「不確実な世界に住まう:遊動/定住の狭間に生きる身体」というタイトルのもと、狩猟採集民、ジプシー、遊牧民、船上生活者を調査する文化人類学者とともに発表をおこなった。 災害という自然現象に由来する危機のみならず、ウルリッヒ・ベックが指摘するようなリスク社会化する現在に対応・対処する様々な事例から本研究を再考する契機となった。ここで得られた知見を踏まえ、災害管理事業がジェームズ・スコットの論じた一元化(simplification)のプロセスとして働く側面について再定住地への移住を考察した。シンポジウムでは国家の取りうる管理政策の共通性が明確になるにつれて、一元化を経験する人々の対応や身構えの差異と多様性が顕著に現れた。例えば、本研究では、スラム住民にとって郊外への移住が政府による管理に晒されるが、同時に社会的ステータスの獲得と新たな社会関係の構築の契機となっており、一元化によるリスク、一元化をとおしたチャンスが不可分に結びつき、両者を調整する実践にこそ不確実性に対峙する身構えが示されていた。2019年2月18日に行われた論文集の読み合わせでは、草稿に対して建設的なコメントを得ることができ、現在、平成31年度中の掲載に向けて修正を行っている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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