2016 Fiscal Year Annual Research Report
消費者にとっての性能を考慮した情報伝達機器の環境影響評価方法
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16J02702
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天沢 逸里 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員(DC2) (80804989)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 情報伝達機器 / 消費行動 / 環境負荷 / 社会実験 / 電子書籍端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、情報伝達機器(Information and Communication Technology, ICT)の導入における消費行動の変化の把握に焦点を当てて研究し、その成果を国際学会と国内学会にて発表した。
本研究では、情報のデジタル化を代表するICTとして電子書籍端末(以降、E-reader)を取り上げた。前年度におこなったインタビューやアンケート調査の結果によると、E-readerで本を読む人は、紙の本のみ読む人と比べて読書量が多いという結果を得た。しかし、これらの調査ではE-readerの所有と読書習慣の差異の因果関係が把握できない。アンケート調査の結果の再確認と因果関係の把握のため、E-readerを使用した社会実験の実施に至った。
結果、電子書籍は必ずしも紙の本の追加消費にならないということが分かった。この結果をもとに、読書における一人あたりの環境負荷をライフサイクル評価から計算した。読書における環境負荷で大きく占める項目は紙の本の消費であり、電子端末の負荷は紙の本を電子書籍で代替することによって絶対的な影響は減る。社会実験では、Kindle Testerの環境負荷の絶対値がPaper Onlyに比べて低い結果が出た。電子書籍が紙の本を代替することによって環境負荷の値も減少したのだと考える。さらに、書籍入手数あたり(i.e.本一冊あたり)の環境負荷も、Kindle Testerの方がPaper Onlyよりも低い値を示しており、消費行動の変化を組み入れても電子書籍の導入は環境負荷を減らすという結論に至った。消費者のE-readerの利用状況を定量的に捉えることにより、間接的な影響も含めた環境影響評価をおこなうことができた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)