2018 Fiscal Year Annual Research Report
冗長大自由度を有する身体運動の制御を簡略化する神経システムの解明
Project/Area Number |
16J04573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
萩生 翔大 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 運動制御 / 運動学習 / 骨格筋電気刺激 / 筋電図 / 等尺性力発揮 / 筋疲労 / 筋シナジー |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は膨大な数の骨格筋の活動をどのようにして制御しているのであろうか.この問いについて明らかにすることが,本研究の最大の目的である.研究目的を達成するために,昨年度は以下の研究を実施した.
ヒトは身体外部の環境の変化や使用する道具の変化に応じて運動を修正している.しかし,変化するのは身体外部の環境だけではない.成長や加齢といった長期間の変化から,筋肥大や筋損傷,もしくは筋疲労などの短期間の変化に至るまで,我々の身体は日々変化している.本研究では,このような身体内部の変化に対する運動学習として,短期的に骨格筋の動力学的変化が生じる筋疲労に対して運動がどのように修正されるのかについて明らかにした.実験を実施するにあたって,まず,骨格筋電流刺激を用いた新奇な実験方法を開発した.骨格筋に高周波の電流刺激を与えると,短時間で急激に筋が疲労することが知られている.そこで,高周波の電流刺激を用いて一つの筋を急激に疲労させ,その結果生じる運動の誤差を修正するために,筋活動がどのように修正されていくのかについて調べた.5分間の電流刺激によって受動的に誘発された力は最大値の20%程度まで減少した.電気刺激の前後で水平面上左方向への等尺性力発揮を行ったところ,刺激後,力発揮方向に誤差が生じ,徐々に運動が修正された.また,理論的には,1つの筋が疲労した際,その筋のみの活動を大きくすれば誤差の修正は可能である.しかし実際には,関与する複数の筋の活動を微調整することによって運動を修正していることが明らかとなった.これらの結果から,筋疲労という,身体内部の動力学的変化に対して,疲労した筋以外の複数の筋で力発揮を補正し合いながら運動を修正しているということが明らかとなった.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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