2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメバチ亜科Platylabini族における多様性と宿主転換の解明
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16J05085
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 波輝 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 分類学 / 寄生蜂 / 生物多様性 / 昆虫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当研究課題に必要なサンプル収集を目的として、日本国内のほかアメリカ合衆国においても許可を得てフィールドワークを行った。また、国内研究期間の標本調査に加えて、本年度は韓国の国立生物資源研究所を訪問し、標本調査を行った。国内の研究者・協力者との標本交換によっても、研究対象であるPlatylabini族のサンプルを効率的に収集できた。 これらのサンプルをもとに、第一段階として、日本産Platylabini族の分類体系の整理を行った。結果として、属の定義の検討が必要なPlatylabus属を除き19属45種が認識された。これらのうち、13属は日本未記録属、2属は未記載属であると考えている。現在までに記録されている日本産Platylabini族また、Platylabus属に含まれると考えられる種は20種以上が分布していることが明らかになった。 さらに、韓国での調査では、韓国から記録のないPlatylabini族のいくつかの属の標本を発見した。その中には日本との共通種も見られたが、同属でも日本産種とは明らかに異なるものが分布しているようであった。 本年度の調査を通して、分子系統関係推定に必要な新鮮なサンプルも集まったため、分子系統推定の準備も進めている。また、協力者により、宿主から羽脱したサンプルを得ることも出来た。 これらの研究の一部はアメリカでの国際昆虫学会議で発表し、論文投稿の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の調査を通じて、日本産のPlatylabini族の多様性を把握し、分類体系の整理を進めることができた。この結果から、次年度の海外標本調査での調査方針を決定できたため、効率的に調査し記載を進めることができる。また次年度の分子解析のための標本も集まってきたため、早い段階で解析を始められると考えている。これらのことから、当初の予定どおり概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られているサンプルを基に、記載を進める。そのため、ドイツのミュンヘン動物学収集博物館のコレクションとの比較を計画している。ヨーロッパから記載された種の一部は記載の質が不十分な物があり、実物と比較する必要のある種が複数あるためである。 また、宿主の特定のためのサンプリングと分子系統推定を並行して行う予定である。
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Research Products
(4 results)