2018 Fiscal Year Annual Research Report
一次元電子系物質を基盤とした革新的薄膜デバイスの開発と巨大外場応答性の創出
Project/Area Number |
16J06760
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊谷 翔平 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特任助教
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
|
Keywords | 一次元電子系 / 有機半導体 / 金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,塗布可能かつ薄膜化可能な一次元電子系物質を開発するため,本研究遂行中に得られたアセンジイミド骨格を有する有機半導体の知見を活かした物質開発をおこなった。具体的には,前年度に開発やデバイス特性の解明を進めていた物質群を基盤とし,金属イオンとのハイブリッドとすることを試みた。配位可能部位として,例えばシアノ基やピリジル基を有する有機半導体誘導体を利用した。まず金属イオンとして銅や白金などを用い,バルク結晶の取得を試みたが,有用な固体を得ることができなかった。これは,用いられる溶媒に対し有機半導体骨格の溶解性と金属塩の溶解性とが適切な関係にないことに由来すると推察された。したがって,期待された集合構造の実現のためには適度な分子間相互作用および溶解性の制御をおこなうことが重要であることがわかった。 また,上記に関連して,有機半導体においてパイ共役骨格が拡張された場合にはそれに伴い嵩高い置換基が有用であることを明らかにし,学術論文中で発表した。これは置換基の嵩高さによる溶解性制御ではなく,固体中において機能性を発現する集合構造実現のために有用な知見である。この知見は新規アセンジイミド誘導体の開発においても同様であることを,単結晶X線構造解析により明らかにすることができた。しかしながら,溶液プロセスにより基板上に成長した結晶はそれと異なる集合構造を有することもあることも度々観測され,集合構造の制御にはバルク結晶と薄膜結晶との双方を系統的に理解する必要があることが示唆された。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)