2018 Fiscal Year Annual Research Report
広視野MeVガンマ線望遠鏡気球実験による銀河面核ガンマ線観測
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16J08498
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹村 泰斗 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | ガンマ線 / 望遠鏡開発 / 気球実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績はSMILE-2+気球実験の実施とその解析である。 既存の広角MeVガンマ線望遠鏡は宇宙環境下における感度が設計感度より1桁近く減少することが問題であった。我々はこの問題は、既存の望遠鏡が角度分解能を誤って評価していることに起因していると考え、正しくPoint Spread Functionを定義し角度分解能を評価することが可能なMeVガンマ線望遠鏡ETCCの開発を進めてきた。SMILE-2+気球実験は、Sub-MeV領域で明るいかに星雲と銀河中心領域を観測し、ETCCが宇宙環境下で地上と変わらない感度を保ち続けることや天体撮像能力を有することを実証する気球実験である。 現地時間2018年4月7日 6:24、オーストラリア、アリススプリングスにてSMILE-2+気球を放球した。SMILE-2+気球は約27時間高度40 kmにて水平浮遊し、かに星雲と銀河中心をそれぞれの観測時間は5時間、8時間の観測することに成功した。帰国後フライトデータのかに星雲観測データの解析を中心に研究を進めている。ETCCのバックグラウンド除去能力を用いて抽出したガンマ線イベントから、かに星雲ON領域-OFF領域をすることで、かに星雲方向からおよそ3σの超過成分を得ることに成功した。この観測結果はETCC性能から予測される光子数と一致し、ETCCが宇宙環境下において地上と同等の感度で動作していることが示された。これは先に述べた理由からMeVガンマ線望遠鏡開発として大きな一歩である。現在フライトデータ詳細解析のためにシミュレーションによる応答関数の作成やバックグラウンド評価を進めている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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