2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト自己位置同定の計算論―実環境での脳・行動計測による脳内情報処理モデルの研究
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16J08502
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
森岡 博史 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 神経科学 / 神経工学 / 脳計測 / 実環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
実環境脳計測データ解析を通して,実環境におけるヒトの自己位置推定アルゴリズムを解明することを目的とする.本研究ではそれを実現するために,ヒトが実環境で動き回っている状況下で取得された脳計測データからヒトの認知機能を解明するための新たな手法を開発し,ヒトの内部状態モデルとして構築した自己位置推定機能の計算論的アルゴリズムの,神経科学的妥当性を検証する. 当該年度は主に,脳計測データベースから脳の情報処理に関わる部位の安定な推定を実現することを目的とし,研究計画における「脳計測データベースからの脳活動に由来する非定常成分の抽出法の研究」に従事した.また,開発した手法の有効性を検証するために,自己位置推定タスクよりも簡単な予測タスクを扱ったデータベースに対して提案手法を適用し,その有効性を確認した.具体的に得られた成果は以下のとおりである. 【時系列データからの非定常成分の抽出法の研究】多チャンネル時系列データから,独立な非定常成分を抽出する手法の共同研究を行った.提案手法は信号源に対して独立性と非定常性を仮定し,そこから非線形な混合によって得られる観測データから,非定常性を表現するように特徴量抽出器と識別器を学習することで,信号源成分を推定するというものである.提案手法は実環境における様々な時系列データへの適用が可能であり,今後幅広く応用が期待される. 【脳計測データからの脳活動に由来する非定常成分の抽出法の研究】複数被験者から得られた脳計測データベースから脳活動に由来する非定常成分を抽出する解析法を上記で提案した手法を元に提案し,実データによる評価を行った.得られた脳活動パターンは安静時の脳活動ネットワークに関する先行研究の結果と一貫するものであり,提案手法により脳活動に関連する非定常ネットワークが抽出可能であることを示した. これらの研究内容をまとめたものは国際会議にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は研究計画書に則って主に「脳計測データベースからの脳活動に由来する非定常成分の抽出法の研究」が行われ,以下の成果が得られた.1,非線形独立成分解析手法の研究開発(共同研究).2,それを応用した脳計測データからの非定常成分の抽出法に関する研究.これらの研究内容についてまとめたものはいずれも国際会議にて発表された.以上の結果は当初の研究計画に沿ったものであり,いずれも対外発表を行い,当初の目的を期待通り達成していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
現在はさらに非定常性の大きな実環境下において取得された多被験者データベースに対してもロバストな解析手法を開発すべく,英国に渡航して新たな共同研究に取り掛かったところであり,見込みのある解析結果が得られている.それが実現された後,実際にヒトが自己位置推定タスクを行っている時の脳の活動・行動データを計測・解析することで,ヒトの計算神経科学モデルを構築し,実環境におけるヒトの自己位置推定アルゴリズムの解明を目指す.
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Research Products
(3 results)