2016 Fiscal Year Annual Research Report
多様なバイオマスを構成する多糖類を分解できる微生物の基質の識別・認識機構の解明
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16J08791
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
油屋 駿介 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | C. cellulovorans / DNAメチラーゼ / 宿主ベクター系 / シャトルベクター / 制限酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はC. cellulovoransの宿主ベクター系の開発を行った。C. cellulovoransはいまだ宿主ベクター系が開発されておらず、遺伝子の欠損や過剰発現ができない。そのため、本微生物の基礎的な知見や産業への応用にあたって大きな問題となっている。 宿主ベクター系の開発にあたってもっとも大きな問題となっているのが、C. cellulovoransが持つ非常に高い制限酵素の活性が引き起こす導入遺伝子の不活化である。本微生物にベクター系を導入する際には、この高い制限酵素の活性からベクター系を保護する必要がある。そこで本年度は宿主ベクター系を制限酵素から保護するために必要となるDNAメチラーゼの選抜・発現を主に行った。 まずベクター系にメチル化を行う酵素である、DNAメチラーゼを本微生物のゲノム情報から4種類選抜した。続いて、このDNAメチラーゼをゲノムからクローニングし、これを大腸菌に発現させた。また、大腸菌にコドンを最適化したDNAメチラーゼも遺伝子合成によって作成し、これも大腸菌に発現させた。後者はコドン使用率の差によって大腸菌でDNAメチラーゼが発現しないことを考えて作成している。DNAメチラーゼが発現した大腸菌に大腸菌-Clostridium属のシャトルベクターを導入し、ベクター系がメチル化されているを確認した。加えて、嫌気条件下でプラスミドを導入する際のエレクトロポレーションの諸条件の検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り研究は進捗している。 クローニングでは、種ごとのコドンの使用率の差にでDNAメチラーゼが発現しにくいことも考えられたが、大腸菌にコドンを最適化させたメチル化酵素を用いることによって発現していることを確認でき、順調に実験が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本年度開発を行ったDNAメチラーゼのメチル化の活性評価と、これを用いた遺伝子破壊株や過剰発現株の作成を行う。 また、糖結合タンパク質に結合する糖のサイズを決定する。
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