2018 Fiscal Year Annual Research Report
角膜内皮細胞機能制御におけるNAD+の生理学的重要性と治療標的としての可能性
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16J09889
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲垣 絵海 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 抗加齢医学 / 角膜内皮 / NAD |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦において失明に陥る角膜内皮障害の主な原因は白内障手術後の医原性の水疱性角膜症である。白内障手術は年130万件と本邦で最も多い手術であり、超高齢化社会を迎え医原性の水疱性角膜症は増加が予測され、移植医療では需要に対した治療を供給できない可能性がある。申請者は新規角膜内皮細胞障害薬の開発へのパラダイムシフトが必要と考えた。 NAD(Nicotinamide adenine dinucleotide)は酸化還元反応において重要な役割を果たす古典的な補酵素として古くから知られていた。近年、哺乳類NAD合成系の律速酵素であるNAMPTがNAD量を調節し、老化・代謝などの様々な局面で重要である事が明らかになっている。代謝臓器内のNADを増強することが、代謝改変に有効な可能性がありヒトでの臨床試験も始まっている。しかしこれらのNAD関連代謝産物のヒトにおける正確な測定系、体内局在、さらに正確前眼部における有用性は不明であった。 申請者は第一にNAD関連代謝産物のヒトにおけるLC-MS/MSの測定系を構築した。第二に測定系を用いてこれらの体内動態を明らかにし、霊長類動物モデルにおける組織移行性を見出した。第三に、それらの酸化ストレススカベンジャーとしての前眼部恒常性維持機構における役割を見出した。第四に一部の代謝産物において疾患バイオマーカーとしての可能性を予備検討において見出した。現在、ヒト臨床検体を用いてさらに症例数を増やし検討を行っている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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