2017 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨内骨化におけるNF-κBの時空間的制御機構の解明
Project/Area Number |
16J09963
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中富 千尋 九州歯科大学, 歯学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
|
Keywords | 軟骨細胞 / 軟骨細胞分化 / NF-κB非古典的経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究結果から、NF-κB非古典的経路が恒常的に活性化している変異型マウス(Δp100マウス)軟骨細胞では細胞増殖能が低下し、軟骨細胞分化マーカーであるCollagen type X、Mmp13の発現が顕著に低下している事が明らかになった。以上を踏まえて今年度はNF-κB非古典的経路が抑制されているRelB-/-マウスとΔp100マウスのdouble knockout mice(dKOマウス)を作成し、解析を行ったところ、以下の結果を得た。 1)dKOマウスは軽度の低身長を示すがΔp100マウスと比較すると改善傾向が認められた。2)dKOマウス成長板軟骨を組織学的に解析したところ、成長板軟骨の狭小化、軟骨カラム構造の乱れは野生型と同等にまで回復していた。3)in situ hybridization法を用いて軟骨細胞マーカーの発現を解析したところ、Δp100マウスではほぼ消失していたCollagen type X、Mmp13の発現がdKOマウスでは野生型と同等にまで回復していた。4)BrdUラベリング実験を行ったところΔp100マウスではBrdU陽性細胞数が著しく減少したがdKOマウスでは野生型と同等であった。また、細胞増殖制御に関与する遺伝子であるccnb1、Cdkn1cの発現がΔp100マウスでは低下し、dKOマウスでは野生型と同等に回復していた。 以上の結果から、Δp100マウスでは軟骨細胞の増殖および分化が抑制されるが、さらにRelBを欠失させるとその抑制が回復することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Δp100マウスとRelB-/-マウスを交配させたdouble knockout miceを作成し解析を行う事で、Δp100マウスの軟骨組織に認められる変異が回復することを明らかにしている。現在の所研究目的を達成するためにおおむね当初の計画通りに進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
pellet culture系を用いてΔp100マウス由来軟骨細胞にNF-κB2遺伝子を強制発現させることで、細胞増殖関連遺伝子の発現が回復するかを検討する。Δp100マウス軟骨細胞におけるNF-κB2下流分子をマイクロアレイ法を用いて探索する。
|
Research Products
(2 results)