2017 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシアステップにおける持続的草原利用の体系化と実践
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16J10051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 康平 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 植生学 / 地理学 / 放牧地生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度から継続して各地域の植生劣化状況の把握と遊牧民の植生景観利用パターンの類型化に取り組んだ.その結果,以下の4つの成果を得た. 1.モンゴル全域を対象とした植生劣化評価:モンゴル全域を対象として,種数を指標にした植生劣化評価を昨年度から継続して行った.現在,研究成果を国際誌に投稿準備中である. 2.ウランバートル周辺県を対象とした植生劣化評価:ウランバートル周辺県を対象として,研究代表者が収集した植生データ(現在データ)と1960年代から1980年代に収集された植生データ(過去データ)を比較し,長期的な種組成変化を評価した.研究成果がJournal of Arid Land Studiesに受理され,印刷中である. 3.モンゴル全域を対象とした遊牧民の植生景観利用パターンの類型化:過去に行われた遊牧様式の類型化に関する研究をレビューし,研究代表者が昨年行った聞き取り調査の結果と統合することで,モンゴル全域を対象とした植生景観利用パターンの類型化を進めた.現在研究成果を論文投稿準備中である. 4.ウランバートル周辺県を対象とした遊牧民の植生景観利用パターンの類型化:昨年度行った聞き取り調査で収集した情報を用いて,ウランバートル周辺県における詳細な植生景観利用パターンを整理した.具体的には季節の移動,各営地で利用する植生景観や植物に着目して整理を行った.現在研究成果を論文投稿準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去に行われた遊牧様式の類型化に関する研究の収集が順調に進み,モンゴル全域を対象とした植生景観利用パターンの類型化が大きく進展したため.またモンゴル全域を対象とした植生劣化評価,ウランバートル周辺県を対象とした植生劣化評価,ウランバートル周辺県を対象とした遊牧民の植生景観利用パターンの類型化も着実に進展しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
モンゴル全域を対象とした植生劣化評価に関する内容の論文投稿作業,モンゴル全域を対象とした遊牧民の植生景観利用パターンの類型化に関する内容の論文投稿作業とさらなる情報収集,ウランバートル周辺県を対象とした遊牧民の植生景観利用パターンの類型化に関する内容の論文投稿作業を進める.そしてすべての研究成果を統合することで,植生景観の健全性を維持可能な放牧方法を地域ごとに明示することを目指す.
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