2016 Fiscal Year Annual Research Report
ハムシ類の水生植物利用への進化における腸内微生物群集の役割
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16J40021
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
池田 香代子 (福森 香代子) 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 特別研究員(RPD) (00644535)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 共生細菌 / カメノコハムシ亜科 / ブドウサルハムシ / FISH法 / 系統解析 / ガンマプロテオバクテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、日本産カメノコハムシ亜科23種について共生細菌を同定し、その多様性および宿主との共進化関係について明らかにすることを目的とした。カメノコハムシ類における共生細菌の体内局在をFISH法で可視化したところ、多くの種で雌雄ともに前腸と中腸の間に2個または4個の小さな共生器官が見られたが、2種からは共生器官が見いだされなかった。雌の卵巣の近傍に次世代への共生細菌伝達に関わると思われる器官を同定した。細菌16S rRNA遺伝子の系統解析の結果、中腸前方の共生器官および雌の伝達器官には同じ細菌が優占しており、ガンマプロテオバクテリア綱に属する新規共生細菌であることが判明した。共生細菌とカメノコハムシ類それぞれにおいて3つの遺伝子領域(共生細菌:16S rRNA, gyrB, groEL、カメノコハムシ類:COI, 16S, 28S)の塩基配列をもとに系統樹を作成したところ、共生細菌の系統関係は宿主カメノコハムシ類の系統関係と一致する傾向にあり、両者の共進化関係が示唆された。多くの種で高度に保存され、器官レベルの特殊化も見られることから、この共生細菌はカメノコハムシ類において重要な生理機能をもつ可能性が示唆された。 また、サルハムシ亜科のブドウサルハムシがもつ共生細菌の同定と系統解析に取り組んだ。カメノコハムシ亜科の昆虫と同様に、本種においても雌雄ともに前腸と中腸の間に指状の共生器官が見られた。また、雌は卵巣の近傍に共生細菌の伝達に関わると思われる器官をもっていた。共生器官内における共生細菌の局在をFISH法で可視化したところ、顆粒状の共生細菌が認められた中腸前方の共生器官にはガンマプロテオバクテリア綱に属する新規共生細菌が優占していることが判明した。現在、本研究成果について国際誌への論文投稿の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展し、2017年3月に開催された第64会日本生態学会大会において発表することができた。また一部の内容については国際誌への投稿準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
カメノコハムシ亜科の共生細菌の系統解析については、まだ読めていない遺伝子領域の分析を行い、系統樹を完成させて論文作成に取りかかる予定である。ブドウサルハムシの共生細菌の論文は、最終修正を行って国際誌に投稿する予定である。
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Research Products
(2 results)