Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 多変量解析とくに, 判別分析, 多変量回帰分析, 主成分分析, 正準相関分析, 多変量逆回帰分析, などにおいて、目的変数と説明変数の数が標本数に比べ大きい場合における変数選択法と次元選択法に関して研究することを目的としている. 具体的には, 次の課題に取り組む. (1)AICやCpなどのモデル選択規準を高次元の場合へ拡張し, それらの性質を解明する. (2)罰則付最適化法に基づく変数選択法を開発し, 修正モデル選択法との関係を解明する.(3)得られた結果を数値実験により検証し, さらに実データへの応用に取り組む. 28年度の主要な成果は, (S-1)多変量回帰モデルにおける説明変数の選択問題, (S-2)判別分析における変数選択のための罰則付最適化法の開発, と関係している. (S-1)に関しては, 共分散行列に対して3つの構造, 独立構造、一様構造、自己回帰構造を想定した場合の説明変数の選択問題に取り組んだ. 変数選択基準としてAIC規準およびBIC規準を特別な場合として含む一般化基準を考え, 目的変数の数と標本数が共に大きくなるという高次元漸近的枠組のもとで, 一致性をもつための条件を与えた. その結果の数値的検証も行っている. これらの結果の一部は, 2016年度統計関連連合大会において, 分担者櫻井との共同研究として発表した. なお, 多変量回帰での次元の推定規準に関して, 高次元での一致性を指摘し, 国際誌(JMA)に発表した. (S-2)に関しては, 判別分析法の回帰アプローチを利用して, Lasso型推定法を提案した. この推定法による変数選択と, モデル選択規準AIC, BICによる変数選択の数値的検討を行った. これらの結果を2016年度統計関連連合大会において, 共同研究として発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要において述べているように, 多変量回帰モデルにおいて, 本研究で目標にしている課題(1), (3)に関してかなりの成果を得て, その成果の一部を統計関連学会で発表している. また, 判別問題おいて, 本研究で目標にしている課題(2)に関して, その成果を統計関連学会で発表している. これらの成果を英文論文とて執筆中である. 多変量回帰での成果は, 変数の数が標本数より大きい場合に対しても適用できるものであり, これは29年度以降の研究課題にしていたものであり, 予定より早く進んでいる. 本研究での成果は, 主として多変量回帰モデル, 判別分析出の成果であるが, これらの成果を, 主成分分析, 正準相関分析, 多変量逆回モデル, などで発展させる糸口になると期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に述べている研究課題(1), (2), (3)に関して, 未解決な問題に取り組む. 具体的には, 多変量回帰モデルで3つの共分散構造(独立構造, 一様構造, 自己回帰構造)を想定したもとでの一般化モデル選択規準の高次元一致性等の成果を得ているが, これを判別分析, 主成分分析, 正準相関分析, 多変量逆回帰分析, などで発展させることを目指す. また, 判別分析において, Lasso型推定法を提案し, これに基づく変数選択法と, モデル選択規準AIC, BICによる変数選択の数値的検討を行っているが, これらの理論的検討と, 他の多変量モデルでの展開に取り込むことを考えている. 上記では, 変数選択による縮小問題を取り上げているが, パラメータ行列のランクを縮小する次元縮小問題にも取り組む. さらに, 主として正規性を想定したモデルでの展開になっているが, これを非正規モデルで展開することも視野においている. なお, 取り上げる多変量モデルとして, 上記の他に, 多変量線形混合モデル, 同時方程式モデル, なども考えている. 研究を進める上で, 国内外の関連研究者との打ち合わせが重要になる. 研究課題と関連する, 国際会議, 学会, 研究集会等に参加し, 情報交換などをしながら, 研究を進めることを考えている.
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