2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K00093
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
荒堀 喜貴 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (50613460)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | プログラム解析 / 並行処理 / 競合検査 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，複数の処理が並行するソフトウェア（並行ソフトウェア）を実行時に正確かつ高速に検査する方式の実現を目的とする．ソフトウェアの実行時検査とは，ソフトウェアの実行状態を観測して得られるデータからバグや脆弱性を検出する技術であり，ソフトウェアの信頼性やセキュリティの向上に役立つ．しかし，従来の実行時検査は並行ソフトウェアに対しバグや脆弱性を正確かつ高速に検査できないという問題点がある．本研究はこの問題の解決を目的とする．
本年度は，前年度に検討した複雑属性表現（並行ソフトウェアの実行状態を正確に捕捉するメタデータ表現）を踏まえ，複雑属性上で競合検査を効率的に実行するメタデータ処理方式を検討し，それら方式のプロトタイプを実装し予備実験により評価した．
まず，複雑属性として共有データの共有範囲と所有権を追跡管理し，複数スレッドが共有するデータの共有範囲に絞って正確な競合解析を行う効率的な検査方式を実現した．予備評価の結果から，小/中規模の実用マルチスレッドプログラムを対象に，提案方式が従来手法に比べて誤検出を大幅に低減でき検査効率も有望であることが分かった．
次に，複雑属性を持つメタデータの処理を記録と検査の二つのフェーズに分割し，各フェーズを個別に並列化する方式を実現した．具体的には，記録フェーズで検査対象の各スレッドが各自のバッファにメタデータを記録し，検査フェーズにおいて共有データアクセスの範囲ごとに複数の検査スレッドが競合検査を並列実行する方式を実現した．この際，検査スレッド間の負荷分散も実現した．予備評価の結果から，検査並列化による大幅な検査効率の向上を確認できた．
また，競合検査を効率化する別の方式として，競合の潜在的発生箇所を重点検査するサンプリング方式を検討し実現した．分散並行システムを対象とするシミュレーションにより，精度を維持した検査効率の向上を確認した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画は，並行処理の複雑属性をもつメタデータを効率的に処理する検査方式の実現であり，研究実績の概要に記した通り，当初の計画は達成できた．これに加えて，検査効率化の別方式としてサンプリングに基づく分散並行競合検査を実現し，予備評価までを達成できた．このため，研究は当初の計画以上に進展している．
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は今後，次の計画で推進する．競合を含め多様な並行バグ及び脆弱性の正確な並列検査の実現を目指し，（1）複雑属性表現を拡張・洗練し，（2）複雑属性をもつメタデータの並列処理の更なる効率化方式を検討・実装し，（3）大規模な実用並行プログラムを対象に提案方式による精度・効率の向上を評価する．
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| Causes of Carryover |
（理由）本年度に予定していた次年度以降の実験環境の構築および本年度の研究成果の発表を次年度に実施することになったため．
（使用計画）次年度使用額は，次年度以降の実験環境の構築および本年度の研究成果の発表のための諸費用に充てる．
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Research Products
(2 results)
