2017 Fiscal Year Research-status Report
HTTP/2時代のWebサービスのための次世代プロトコルとSDNによる制御の研究
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16K00122
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 嘉浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50335098)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | QoE / Webサービス / SDN / MPTCP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, HTTP/2 時代のWeb サービスを対象とし,次世代のトランスポート層プロトコルとSDN(Software Defined Netwoking)を活用したQoS (Quality of Service)制御により,ユーザ の体感品質(Quality of Service; QoE)の向上させることを目的としている.特に本研究では,次世代のトランスポート層プロトコルとしては MPTCP(MultiPath TCP)を,SDN にはOpenFlowを対象としたQoS 制御方式を検討している.そして,被験者を用いた QoE 評価により提案方式の有効性を多面的に確認する. 本研究では,まず,IEEE802.11無線LAN環境において,WebサービスにおけるQoE(WebQoE)を向上することのできる最適な最大伝送速度の推定方法を検討した.また,QoS制御により,WebQoEを劣化させることなく使用帯域を削減できる方法を検討し,実験により,本方式の有効性を確認した.これらを基に,WebQoEを向上するための無線LAN基地局の開発を行った.一方,有線LANにおけるWebQoEの向上のため,以下の検討を行った.第一に,災害時におけるQoEの向上を目的として,自走式無線リピータにより,孤立したLAN間を接続する方式を検討し,これを実装した.また現在標準化が進められている次世代インターネットプロトコルの一つであるMPTCPに対して,WebQoEを向上するための輻輳制御方式の提案を行った.また,MPTCPのような次世代プロトコルを利用するのではなく,SDNにより既存のプロトコルを効率的に制御してWebQoEの向上を図る新しい方式(TCP multipathization method by SDN)を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は,WebQoEに基づいた無線LANにおけるQoS制御に関して,英文論文誌1件,国内論文誌1件,国際会議で2件の発表を行った.また 有線LANにおけるQoS制御おいては,国際会議3件,および国内会議で5件の発表を行った. 以上より,本年度までの進捗は概ね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降は,これまでの内容を継続し,QoSとQoEの関係の調査,およびこの調査結果を基にしたQoSの制御方法の検討を更に進めていく.特に本年度は,SDNにおける制御方式と次世代プロトコルの制御方式に焦点を置き,新方式の提案及び実装,ならびに情報通信研究機構との共同研究で利用しているJGN(Japan Gigabit Network)上での評価を行う. 以上で得られた成果は,国内外の学術論文誌,国際会議などで適宜報告を行っていく.
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Causes of Carryover |
当初発表を予定していた国際会議よりも,より本研究に適した国際会議への投稿へ変更したが,本会議は査読期間が長く年度をまたいでしまったため
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