2018 Fiscal Year Research-status Report
水棲生物モニタリングのためのセンサ情報収集手法の開発
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16K00146
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
谷口 義明 近畿大学, 理工学部, 准教授 (50532579)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | センサネットワーク / 養殖場 / 水中通信 / モニタリング / DTN |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、センサネットワーク技術、IoT (Internet of Things) 技術の第一次産業への応用が注目されている。本研究課題では、養殖効率向上のために養殖魚に装着したセンサや水中ロボットで計測した水中環境情報を遠隔から収集するモニタリングシステムを対象として、新たなセンサ情報収集手法を開発することを目的としている。 本年度は、昨年度より検討してきたマルチホップ型の情報収集手法の評価を行った。これは、センサ端末の通信媒体として電波を用いる場合、あるいは、出力を抑えた超音波を用いる場合に、センサ端末から基地局へ直接通信を行うことができなくなる場合があるためである。提案手法では、センサ端末のうちの一部がリーダー端末となり、近隣端末から集めた情報をシンク端末に転送する。シミュレーションによる比較評価により、既存の主要なDTN (Delay Tolerant Networking) 手法に対する提案手法の有効性を確認した。また、得られた成果を英文論文誌IEICE Transactions on Information and Systemsに発表した。 加えて、さらなる消費電力の削減のために通信媒体として可視光を用いる場合の初期検討を行った。具体的には、魚に取り付けた端末に装着されたLEDから発光される光と水中に設置した全方位カメラを用いた情報収集手法を検討した。簡易なモデルでシミュレーション評価を行い、提案手法の基本特性を明らかにした。また、試作機の開発と簡易な実証実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、マルチホップ型の情報収集手法については、提案手法を英文論文誌にまとめて発表することができた。また、通信媒体として可視光を用いる手法については、初期検討と一部の実証実験を行った。当初の計画のうち最低限の内容は満たしていることから概ね順調に進展しているといえる。 しかしながら、後者については、成果の発表や実機実験をベースにした手法の改良等の検討が必要であり、次年度にそれらを行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度検討を行った可視光通信を用いる手法について、初期検討結果をベースとして成果の発表を行う。また、提案手法のより多面的な評価および実機実験結果に基づく改良を行い、得られた成果の発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の身内が事故に遭い、日常生活を行える状態に回復するまでの半年間、看病、家事、育児などの負担が増加、研究に使用できる時間が減少した。そのため、研究の完成度を高めることができなかった。また、出張や論文投稿を行えず成果の発表を行えなかった。 次年度に、追加実験評価、改良により研究の完成度を高めるとともに、成果発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)