2016 Fiscal Year Research-status Report
株価変動パターンの類型化と変動要因推定のための系列データパターン発見方式の研究
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16K00161
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| Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
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Principal Investigator |
宇田川 佳久 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50582574)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 持続的経済社会 / 経済発展モデル / 株価変動メカニズム / 日経平均株価 / 類似株価 / 株価予測 / テクニカル分析 / データマイニング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
入手可能なデータ量が増す今日では、大量のデータに潜むパターンや知識を導出するデータマイニングの重要性が増している。株価に代表される金融業界のデータのパターンを導出することは、投資戦略の客観性を高め、各種の金融指標との関連性を研究するための基盤となる解析手法を提供するものと期待される。本研究は、株価の変動パターンを検出するために、申請者がこれまでに開発した系列データのマイニング手法の研究成果を適用し、株価の変動リスクや株価変動に影響する要因の推定へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。
初年度である平成28年度では、株価の終値に関し、期間Nとその期間における株価変動率εを指標とする類似株価の検索方法を提案・実装し、日経225平均株価に適用した。その結果、検索の基準となる営業日によって違いがあるものの、期間Nと株価変動率εは、5日から8日の範囲で直線傾向を示していることを確認した。これは、類似した株価変動が概ね5日から8日間継続するものが多いことを示している。また、本手法で検索した類似株価は期間Nが大きいほど、株価チャートとしての類似性が良くなることが確認できた。
続いて、類似する株価から直近の株価変動をどの程度予測できるかについての実験を行った結果、期間Nが大きいほど、直近の株価変動の予測精度が高い傾向があることを確認した。ただし、今年度実施した株価変動の予測に関しては、結果として、最高値あるいは最安値になった営業日を基準として実験している。実用的な観点からは、任意に指定した営業日を検索の基準として、直近の株価変動を予測することが求められるが、任意の営業日を基準として、直近の株価変動を予測するためには、株価の終値だけでは不十分であり、営業日中の上げ下げ幅、高値と低値、移動平均値との乖離度などの指標を含めた検索手法が必要であるとの見解に至った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度である平成28年度では、日経平均株価を対象にした実験の結果、類似株価を検索することに関しては予想通りの結果を得ることが出来た。ただし、直近の株価変動を予測することに関しては、予想より低い精度の結果しか得られなかった。日経平均株価が225企業の株価の平均から算出されている。各企業はそれそれ独自の事業構造や経営状況にあることから、ある時点での経済状況が日経平均株価に与える影響は、特定の業種や特定の企業に与える影響よりも複雑なものとなる。この問題に対処するために、業種あるいは個別企業の株価を対象とするよう検索アルゴリズムを改良することとした。そのためのデータ収集機能や実験環境を開発するために、予想以上の工数を要したため、研究の進捗に若干の遅れが発生している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としては、以下を実施し、類似株価変動パターンの検索方法の機能強化と株価変動の予測精度を向上させる。
(1)日経平均株価に関し、株価の変動傾向（上げ局面、下げ局面、迷いなど）分類に沿った追加実験を行う。
(2)株価を特徴付けるパラメータを増やした検索方法を開発する。パラメータとしては、始値と終値の差、高値、安値、前日終値と始値の差（いわゆる窓明け）などを対象とする。
(3)株価と移動平均株価との乖離度を指標とする検索方法を開発する。
(4)実験対象とするデータを、日経平均株価だけでなく、業種別平均株価や個別企業の株価に適用する。
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| Causes of Carryover |
物品費、旅費とその他については、予算総額に合わせて削減した。
人件費・謝金については、計画通り、計上額０円。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通り、以下の支出を予定している。
・研究成果発表（外国旅費） 300千円
・その他（論文掲載費、英文校閲） 200千円
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