2016 Fiscal Year Research-status Report
テキストからのリスク感性表現抽出とヒヤリハット潜在因子の横断的高速判定法の開発
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16K00372
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森田 和宏 徳島大学, 大学院理工学研究部, 准教授 (20325252)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リスク感性 |
Outline of Annual Research Achievements |
膨大な報告から有効なヒヤリハット潜在因子(事故を引き起こす潜在的要因)をリスク感性表現として抽出し、危険因子(事故の型分類)と関連付ける知識構造を構築するために、以下を実施した。 ヒヤリハット事例(「踏み台を踏み外しそうだった」、「廃油を誤って引火させた」など)から意味共起「踏み台+踏み外す」、「廃油+誤って引火」を抽出し、それぞれ危険因子<転落>、<火災>を分類名と して定義することで意味共起による抽出知識を構築する作業を実施した。抽出には、意味共起知識による文脈解析の研究成果を活用して、作業負荷軽減に努めた。また、「鋼材台1000ABからの転落」のように、分野に依存する専門表現「鋼材台1000AB」などが存在する場合には、WEB情報の誹謗中傷などの有害情報判定の研究成果を活用し、「鋼材台1000AB」を概念<台>として登録して汎用的な意味共起構築が行えるようにした。 次に、抽出した意味共起に対するリスク感性表現を検出するため、語彙を基点に意味共起知識を再検索することでリスク感性表現候補「踏み台+幅が狭い」、「踏み台+破損」などを抽出し、潜在因子となり得る表現を同定するための照合ルール作成作業を実施した。 平行して、構築知識を利用したヒヤリハット事例の収集をウェブ上からおこなった。研究協力者は主にウェブからの事例収集と危険因子の分類作業に従事した。危険因子は収集事例に記載があればその分類名を、なければ作業者が仮の分類名を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事例の収集作業で量を集めることが困難で予想通りに捗らず、当初予定していたリスク感性表現、意味共起、危険因子の関連づけ作業にまで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度に至らなかった作業は次年度に持ち越すが,今後も研究計画に沿って研究を進める。次年度は関連づけ作業の後に、横断的な危険因子体系の構築を実施する計画である。遅延が発生する場合には、研究協力者の追加、作業規模の縮小などで対応する。
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Causes of Carryover |
本年度の研究に必要な物品が予定より少額で賄えたため、また謝金の支払いが年度を跨ぐため当該研究費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はバックアップ用品が多く必要になると予想されるため、当該研究費は次年度の研究費と合わせ、バックアップ用品に使用する計画である。
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