2018 Fiscal Year Annual Research Report
Drowsiness management combining various physiological signals and sensory stimuli
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16K00375
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊賀崎 伴彦 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70315282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 眠気 / 脳波 / 心拍変動解析 / モニタリング / グレープフルーツ香 / ラベンダー香 / 覚醒効果 / マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
【模擬運転中の脳波による眠気推定】脳波からカロリンスカ眠気尺度(KSS)を推定する新しい方法「再帰型サポートベクター回帰(RSVR)」を開発した。具体的には、まず、各被験者のある1試行について後頭部(O1)脳波のα帯域パワー、(θ+α)/β・β/α帯域パワー比、Hjorth's Activity・Mobilityの5指標を説明変数、KSSを目的変数とするサポートベクター回帰(SVR)モデルを構築した。そして、同一被験者の次の1試行について、構築したSVRモデルによりKSSの予測を行った。さらに、実測KSSではなく、(条件付きで)予測KSSを加えたSVRモデルを再構築し、これを繰り返した。その結果、決定係数0.83、二乗平均平方根誤差0.15という高精度かつ9段階の眠気推定を実現した。 【嗅覚刺激による眠気マネジメント】23歳の健常男性1名に、無香と濃度4%・64%のグレープフルーツ香、濃度4%・64%のラベンダー香の5種類を各2回、5分ごとに30秒間無作為提示した。この実験を1日2回、2日行った。このとき、被験者の心電図を計測するとともに顔表情を録画した。実験終了後、録画した顔表情を再生し、被験者にそれを見てもらいながら30秒ごとにKSSに回答してもらった。その結果、嗅覚刺激前後30秒のKSSスコアは、無香刺激時は変化がみられなかったが、有香刺激後は低下する傾向がみられた。加えて、計測した心電図に対して心拍変動解析により指標値を算出した。その結果、無香刺激前後5分の平均心拍間隔、心拍変動0.0033~0.04Hz・0.0033~0.4Hzパワーに有意な増加を認めたが、有香刺激後のそれらに有意な変化は認めなかった。 【総括】以上のことから、嗅覚刺激の種類や濃度を変化させることで眠気に対する覚醒効果をマネジメントし、それを脳波や心拍変動解析でモニタリングできることが示唆された。
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