2017 Fiscal Year Research-status Report
利活用場面を一体的に捉えた震災関連資料デジタルアーカイビングシステムの基礎研究
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16K00439
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
富澤 浩樹 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (60348315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 昭博 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (70305291)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 震災関連資料 / デジタルアーカイブ / OPAC連携 / 震災学習 / スタディツアー / 復興ツーリズム / 情報システム / 調べ学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,OPACで管理された震災関連資料(以下,資料)の利用活性を目的としている.具体的には,資料の収集・保存・公開活動とその利活用を一体的に捉えたシステムデザインに基づいて試作システムを研究開発するとともに持続可能なシステムの在り方について検討し,その運用モデルを構築していく.昨年度は,震災学習・スタディツアーの知見整理と現地調査を行った.そして,それらを踏まえて試作システムの機能改善を行い,新たな課題を抽出した.今年度は,これまでの成果を総合的に検討した上で,主に以下の2点を進捗させた. 1.試作システムの改善と新資料作成WSの詳細設計 昨年度新たに見出された試作システムの主な課題として,(1)現地調査時に撮影された複数画像データのアーカイビング,(2)資料へのタグ付けの効率化,がある.(1)については複数画像をスポット毎にアーカイブ可能とする改善を施し,(2)については行政資料の多くがPDF形式で公開されていることに着目し,PDFを対象としたメタデータの半自動付与機能を研究開発した.そして,新資料作成WSの詳細設計を行った. 2.新資料作成WSの試行と評価及び課題抽出 関係者及び対象層へのヒアリングを踏まえ,「震災を通して学ぼう!テーマ発掘プロジェクト」と題して市民及び学生参加者を募り,新資料作成WSを実施した.その結果,参加者の調べ学習の成果の他,岩手県山田町と陸前高田市を対象としたスタディツアーのレポート(行程,参加者の意見・感想,画像データ)が試作システムにアーカイブされ,同WSの最終回(振り返り)で用いられた.本試行について,参加者及び関係者からは概ね肯定的な評価を受けたが,システムを効果的に用いるためにより多くの参加者を巻き込む必要があることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記評価の理由は,以下の3点によるものである. 1.これまでの研究を踏まえて試作システムの機能改善を行い,その知見を論文にまとめた. 2.市民参加型の震災学習WS及びスタディツアーを行い,試作システムならびに新資料作成WSの詳細設計について実証的に検証し,その知見を論文にまとめた. 3.上記を踏まえて,より多くの参加者を巻き込むための方策を新たな課題として,具体的に検討した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は以下の2点を中心に進める予定である. 1.改善版WSの実施と評価 当初の研究計画には含まれていなかった課題として,より多くの参加者を巻き込むためのシステム改善がある.そこで次年度は,これまでの成果の外部公開と,図書館職員が作成するパスファインダーに着目したシステムの開発・改善を行う.さらに改善版WSを設計・実施した上で評価を行う. 2.研究総括 最終的な成果として,利活用を一体的に捉えたデジタルアーカイビングシステムの要件を整理した上でこれまでの取り組みに基づいた考察を行い,本研究で用いた運用資料は,とりまとめて関係者に配布する.また,持続可能な運用モデルの構築と提案を行い,学会発表を行う.
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Research Products
(8 results)