2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an education coordinator training program to manage the learning commons.
Project/Area Number |
16K00444
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
上岡 真紀子 帝京大学, 学修・研究支援センター, 准教授 (90723156)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 大学図書館 / ラーンングコモンズ / 人材像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大学図書館におけるラーニングコモンズ担当者の育成プログラムの提案に向けて,北米の大学図書館への訪問調査,関係者へのインタビューを通じて,優れたラーニングコモンズ運営の事例と,そこでの図書館員の役割と求められる能力を明らかにすることを目的としている。 本年度は,(1)昨年度参加した図書館デザイン会議を通じて知り得た事例(ロチェスター大学,ノースキャロライナ州立大学)への訪問調査を実施するとともに,(2)昨年度に引き続き,図書館デザイン会議に参加し,最新の動向を探った。(3)当初,本研究における訪問調査の中心となる予定であった,米国図書館協会のカレッジ・研究大学図書館協会が提供する教育担当者研修への参加は,一昨年度,現行形式での提供が終了したため,1年持ち越して新プログラムへの参加を希望していたが,公開初年度は外部非公開とされ,本年度もまた参加不可能となった。そのため,研究計画を大幅に見直し,新プログラム開発の契機となった,カレッジ・研究図書館協会が新たに公開したティーチングライブラリアンの能力基準を対象に,過去に作成された複数の能力基準と理念・内容を比較分析した。 その結果,(1)(2)については,北米で評価の高い事例において,教育・学習スペースとしての継続的な最適化を測るための建築専門家,アントレプレナーシップ支援のための経験者といった,ラーニングコモンズ運営のための新たな専門家の雇用が見られることが明らかとなった。この成果は今後論文として発表する予定である。(3)については,大学図書館における教育担当図書館員が新たにティーチングライブラリアンとして定義されたことで,図書館員に求められる役割と能力は拡大し,従来の教育を提供する役割と能力はその一部に過ぎなくなったことが明らかとなった。この成果は,日本図書館情報学会で発表するとともに,図書の1章として発表した。
|