2017 Fiscal Year Research-status Report
記述特徴に基づいた授業レポート用の盗用発見への深層学習の適用
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16K00476
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村尾 元 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (70273761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 盗用発見 / 深層学習 / Webアプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,授業のレポート課題に適した盗用発見システムの構築である。このために,内容ではなく,句読点や空白,改行の使用法や,助詞や助動詞の選び方などの「表面上の特徴」を比較することで盗用の発見を試みる。本研究では「表面上の特徴」からその作者を推定するために深層学習を利用する。前年度は,インターネット上で収集したテキスト等を対象として実験を行い,深層学習の構造について検討を行った。 本年度は,以下のように研究を進めた: (1) 前年度に決定した深層学習を,学生に実験のために書かせたレポートを利用して学習する。この深層学習は文書の「表面上の特徴」が与えられると,学習済みの学生のうち,どの学生の「表面上の特徴」と推定されるかを出力する。 (2) 学習済みの深層学習を用いて,プロトタイプのWebシステムを構築する。構築したWebシステムは次のように動作する。まず,学生はWebシステムに自分のユーザIDでログインし,指示に従ってレポートを転送する。これらは組み込まれたデータベースに登録される。教員は同じWebシステムに自分のユーザIDでログインし,提出されたそれぞれのレポートについて,盗用の可能性に関する情報を確認することができる。すなわち,学生Aの提出した課題が,その「表面上の特徴」から,実際に学生Aのレポートと推定されるかどうかを組み込まれた深層学習が判定し,その結果が提示される。 実装にはプログラミング言語PythonのWebアプリケーションフレームワークであるFlaskを用いた。深層学習フレームワークとしては同じくPython用のChainerを,データベースとしてPython用のSQLAlchemy経由でSQLiteを利用した。 簡単な実験の結果,Webシステムが設計した通りに動作することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は,前年度に構造を決定した深層学習を用いてWeb上にプロトタイプシステムを構築することであった。基本的なシステムについては構築が完了しており,研究そのものは順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的なプロトタイプシステムは構築できたものの,十分な数のレポートを用いた検証と,ユーザインターフェイスに関する検討を行っていないため,まず,これらについて研究を進める。その結果によっては深層学習の構造について修正を行う必要もある。その後,実際の授業で試験的に運用を行い,その実用性について検討を行うとともに従来研究で行ってきたHMM(隠れマルコフモデル)を用いたシステムとの比較も行う。
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Research Products
(2 results)