2016 Fiscal Year Research-status Report
タテ線譜を用いたピアノ初心者向け練習システムの研究開発
Project/Area Number |
16K00501
|
Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 康之 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (40331996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 栄太 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD) (10707574)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | タテ線譜 / スタンダードMIDIファイル / 自動ピアノ運指推定 / 自動伴奏システム / 自動譜めくり |
Outline of Annual Research Achievements |
タテ線譜は、直感的に分かりやすく、五線譜が読めない人でもすぐに理解できる画期的な新しい楽譜表記方法である。従来は、このタテ線譜を表計算ソフトウェアを用いて手動で作成していた。そこで本研究では、広く一般に用いられている既存の電子楽譜形式のスタンダードMIDI ファイル(SMF)からタテ線譜を自動的に生成するシステムの開発に取り組んだ。その際に必要となる基本的な要素技術には、タテ線譜の外形(節と枝)を描画することと、適切なピアノ運指番号を推定すること、生成したタテ線譜のPDF ファイルへの出力が必要である。H28年度では、これらの基礎を確立した。 これと並行して、SMF を解析して楽曲の難易度やリズムを推定するシステムの開発を検討した。これは、将来、ピアノ奏者の技術レベルに応じて適切な楽曲を提供する自動楽曲推薦システムを構築する際に必須となる要素技術である。また、自動譜めくりシステムについても検討した。ピアノ奏者は両手で演奏することが多く、奏者が自ら楽譜をめくることが困難な場面があるため、譜めくり係を依頼することがしばしばある。しかし、奏者の意図するタイミングで適切にめくるには技量、経験を要するほか、日常の練習時にもそれを依頼することは時間的・金銭的に難しいことがある。ピアノ奏者が頷き動作を譜めくりの合図として用いていることを範とし、総合的なピアノ演奏支援システムの基礎となる頷き動作による自動譜めくりシステムの基礎を確立した。 さらに、特にピアノ初心者の演奏は、音高誤り・テンポの揺らぎ・弾き直しを含むが、これらの不確定な演奏にも追従する自動伴奏システムを併用して一緒に演奏することで楽しんで演奏できるようにした。また、我々が開発してきた自動伴奏システムでは、奏者の楽譜が休止となる区間はテンポ指示ができなかったが、それを可能にするようにシステムを拡張した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究室への配属学生が専攻科生1名、本科5年生であり、想定した人数よりも少なく、研究の進捗がやや遅くなってしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
他研究機関との共同研究を含め、学内外において研究を推進する。
|
Causes of Carryover |
物件費は概ね予算通りの執行となった。 謝金の支出は予算を上回った。その一方で、研究発表の会場が近郊地であることが多く,学会参加費もあまりかからずに済んだため,当初見込んでいた旅費やその他の支出を抑えることができ、全体として、次年度使用額が生じた。 H29年度は当初から低めの予算として設定していたために、次年度使用額として繰り越すことで、H29年度において、H28年度と同等以上の活用・研究推進ができると判断した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
特に国外での発表や当該分野の研究の動向調査を行う。 また、ピアノ運指データベースの作成を推進し、それに伴い、研究補助謝金の部分を手厚くする。
|