2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of radiation effects on wild animals based on changes in genetic composition of wild boar before and after the nuclear accident
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16K00575
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
村瀬 香 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 准教授 (60396819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊幸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80242238)
奥田 圭 福島大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (90749665) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 被曝影響 / 統計モデリング / 哺乳類 / 野生動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発事故が野生動物の遺伝的要素に与える影響に関するこれまでの研究には、汚染度が異なる地域間で比較したものは報告されているものの、同じ場所で、事故前後の比較を行なった報告はほとんどない。原発事故がヒトに与える影響に関する解析においても、高汚染地域と、程汚染地域の比較が多く報告されている。例えばチェルノブイリ原発事故後のベラルーシ公式報告書(2006)では、8つの先天性奇形を高汚染地域と低汚染地域を比較しており、統計的有意差があったのは3つの疾患のみであると報告している。しかし同じデータセットを用いて、同じ地域間で原発事故の前後を比較した申請者らの再解析では、8つの先天性奇形のうち高汚染地域では6つの疾患で、低汚染地域では7つの疾患で統計的に有意な増加が認められた(村瀬ら. 2015 人間と環境. 41(1):48-56)。このように、低汚染地域でも疾患が増加していれば、高汚染地域との間で統計的有意差は検出することは困難である。ましてヒトの場合、避難した人が避難先で出産や手術を行った場合、高汚染地域でのデータは減少し、低汚染地域でのデータは増加する。ヒトでは、野生動物以上に異常が検出できない条件が揃っている。そこで申請者らは、有害駆除で破棄されているイノシシのデータを収集し、福島原発事故前後の遺伝的変化を解析し、学会等で発表してきた。これまでの研究の結果、高汚染地域と低汚染地域の間で統計的に有意な変異性が認められ、また、福島原発事故前後においては、より大きな変化を検出することができた。さらに、今後の予防医学や避難計画に寄与するため、生息地域の環境汚染度に対するリスク推定も行った。しかし新型コロナウイルスの影響で、学会がみなし開催や中止になり、イノシシの成果発表の機会が十分ではなかったことから、今後も引き続き発表を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)