2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of one-step type tannin-conjugated natural flocculant by using metal salt and enzyme
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16K00610
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
榎 牧子 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (90342758)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 天然凝集剤 / アルギン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
海藻凝集剤の一液型を鑑み、海藻凝集剤中の凝集作用成分であるアルギン酸の一液型化にとりくんだ。H28年度にはアルギン酸カリウムとマグネシウム塩を用いて一液型化にとりくんだが、アルギン酸とマグネシウムイオンから生じるゲルは非常に弱く、マグネシウム塩を大量に入れて初めて凝集性能を発揮した。そこでH30年度はアルギン酸ナトリウムとカルシウム塩を用いた。アルギン酸はカルシウムイオンによってゲル化し、凝集性能をもたなくなるが、アルギン酸分子鎖上にカルシウムイオンをよく分散させて水浮遊性の微小ゲルを作成することができれば、一液型凝集剤として作用すると考えた。 具体的には、まずアルギン酸ナトリウム水溶液と炭酸カルシウム粉末を混合し、温浴攪拌下で塩酸および塩化カルシウムを順次加え、得られる水溶液を一液型凝集剤とした。塩酸濃度0.2~5.0M、塩酸添加量1.2~2×0.001モル、塩化カルシウム100~800ppmの条件で試験を行ったところ、塩酸は濃度が濃いほど、添加量が高いほど凝集性能がよく、また、塩化カルシウム添加量は多いほど高い凝集性能が得られることがわかった。凝集効果が観察されない条件では凝集剤溶液中に目視で確認できる大きさのゲルが観察され、また、懸濁粒子の凝集は確認できなかった。一方、凝集効果が確認できた凝集剤溶液には大きなゲルは確認されなかった。凝集物の大きさは凝集試験後の上澄みの濁度と必ずしも相関があるわけではないことから、沈降速度とも相関がないと考えられた。 以上のことから、上述の手法により、カルシウムイオンをロードしたアルギン酸カルシウムの微細なゲルが一液型凝集剤として得られ、一定の条件下において良好な凝集性能をはっきすることがわかった。
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