2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K00720
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
市原 恭代 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (10301813)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 色覚 / カラーユニバーサルデザイン / カラーヴィジョン / 安全色、信号 / サイン / 色のデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
人は網膜のL、M、Sの3種類の錐体によって様々な色を知覚することができる。しかし、われわれの中には多数の色覚多様性がある。通常、先天性赤緑色弱とは、赤と緑の区別が困難な人々であり、それらの人も青と赤、青と緑の区別は明瞭である。色弱にはいろいろな種類があり、1色型色覚、2色型色覚、3色型色覚と分類される。2色型には3つの型があり、L、M、Sの3錐体のうち1つが欠損した(光の感じ方がずれている)もの、すなわちL錐体の欠損したもの(M錐体と似通ったもの)を第1型色覚、M錐体の欠損したもの(L錐体と似通ったもの)を2型色覚、S錐体の欠損したものを3型色覚という。以後、カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)の名称に従って1型2色覚をP型、2型2色覚をD型、一般色覚をC型呼ぶ。P型色覚は赤が暗く見え、D型色覚は赤が暗く見えないとする研究が、光線ではされているが、色票ではされていない。デザイナーがデザインに応用する為には、色票が必要である。また、D型色覚は赤を暗く感じないと言われているが、本当にそうだろうか。 本実験では、P型とD型の色覚に注目し、黄みや青みが加わると明るく見えるのか、また、C型色覚が感じる赤のまぶしさ、鮮やかさ、明るさが、赤の種類によってどの程度暗く感じるかを研究する。 研究の結果、肌色と赤唇縁の赤色領域がもっとも暗く見えていることがわかった。これはP型のみならずD型でも程度は小さいものの見られた傾向であった。 また、紫領域は少しの分量でも敏感に青みを感じて明るく見える傾向もわかった。 このことから、赤について目立つようにデザインするためには、一層の黄みを必要とすることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
私が理事を務めるNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構では、私の基礎研究を応用してさまざまなデザインに役立てている。今年の4月20日にはすでに研究成果がJIS(日本工業規格)に採択され、安全色、安全標識などの色がカラーユニバーサルデザイン化されることとなった。さらに活動を展開する。http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180420006/20180420006.html
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Strategy for Future Research Activity |
本実験では、『新配色カード129a』より刺激を選んだため、色差について考慮しなかったため、色刺激に偏りが出てしまった。バランス良く選ぶために、L^* a^* b^*の値を指定するなどの工夫をすることが必要なのではないかと考えた。 また、刺激に使用する色は黄色みの範囲を増やすことで、どの程度の黄色が加われば明るく感じるのか、C型色覚でばらつきがあった理由の調査については今後の課題としたい。
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Research Products
(11 results)