2017 Fiscal Year Research-status Report
Maternal Gatekeeping and Mothers' Career Development among Dual-earner families
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16K00742
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中川 まり お茶の水女子大学, 学生・キャリア支援センター, 准教授 (00649634)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 妻の家事のゲートキーピング / 妻の子育てのゲートキーピング / 夫の子育て・家事参加 / 共働き家族 / キャリア意識 / 母親のキャリア形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)質問紙調査の実施:平成29年度は前年度に実施したフォーカス・グループインタビューの結果をふまえ、Web調査による質問紙調査を実施した。対象は日本全国を対象地域として小学生以下の同居する子どもをもつ有配偶(同居)の母親300名である。平成30年2月に実施し、約100項目で構成した。主な内容は、自身の配偶者に対する家事と子育てのゲートキーピング行動および、就業に関すること、キャリア意識、子どもの社会的発達、夫婦間の家事・子育て分担などである。調査結果は、現在分析を進めている。 (2)学会発表:学会発表は2回実施した。1回は日本家族社会学会平成29年度学会大会におけるテーマセッションでの単独報告である。もう1回は、National Council on Family Relations(全米家族関係学会)におけるポスター発表であり、米国フロリダ州において共著での発表を行った。 (3)論文投稿:論文投稿は1件、調査実践1件の投稿を行った。投稿論文は、平成28年度に投稿したが、査読修正後に掲載不可となった論文の再度の投稿である。この件について、平成28年度に日本家政学会家族関係学部会に投稿した論文に関しては、1回目の査読を受け、修正を行い再度のご審査をいただいた。しかし1回目の査読で指摘をいただかなかった事項についてご指摘をいただき、掲載不可となった。その後、掲載不可となった際のご指摘事項をふまえ、研究全体を再考し、平成29年度のうちに日本家政学会に投稿を行った。タイトルは「共働きの妻における家事のゲートキーピングと夫の家事参加との関連性」であり、現在は審査中である。その他、本務校(お茶の水女子大学)において実施した学生およびその保護者へのキャリア意識に関する調査結果を踏まえ、調査実践としてまとめ、共著にて投稿し、現在印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画として、質問紙調査を計画通り実施した。計画した実施時期よりも後ろ倒しになってしまったが、その間に先行研究をさらに参照し、質問紙に反映することができた。また、学会発表および論文の投稿については、国内学会発表2回、国際学会での発表1回を計画していたが、新たに増加した業務の日程上の都合により、国内での学会発表は1回とし、米国での国際学会での共著のポスター発表1回を行った。平成29年度も昨年度に続き、日本の研究成果を海外に発信することに貢献できたと考えている。また米国の国際学会では、母親のゲートキーピング研究を行う研究者との意見交換もすることができ、米国での最新の情報を収集できた点で有意義であった。投稿論文は、学会誌への論文投稿1回を計画していたが、1本の論文投稿と1本の調査実践の掲載がされ、計2本を執筆した。さらに依頼原稿として、日本家政学会より、家族に関するテキストの原稿のうち、女性の就業に関する箇所を執筆した。以上の進捗状況に基づき、平成29年度はおおむね計画通りに進捗したと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、次の3点を計画している。第一は、平成28年度および平成29年度に実施したフォーカス・グループ・インタビュー調査結果と質問紙調査結果に基づいた論文を執筆することである。子育て期の母親がどのようにして家庭内労働の分担を夫と進める、もしくは進められずに、自らのキャリアをデザインしているのかについて研究し、子どもの発達と夫婦間での子育て・家事の協力との関連性について掘り下げる。これまでの研究では、母親のゲートキーピングと夫の家事・子育て参加との関連性、夫婦間の意思決定などに関する内容は取り上げたものの、母親自身のキャリア形成との関連性などはまだ研究が進められていない。第二は、単著の書籍執筆である。母親の家事・子育てのゲートキーピング研究は、日本では研究が数少ないものの、実践的な示唆も与えうると考えていることから、対象となる読者については、そのインパクトを考えて、専門家の意見もお聞きしながら書籍の具体的な企画を進めたい。第3は、研究報告書の作成である。学会報告および調査結果、研究成果について、報告書をまとめる計画である。
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Causes of Carryover |
業務委託を行ったWeb調査による質問紙調査において、計画していた金額より見積金額が低かったためです。残金の使用計画は、パソコン用品および図書などの物品費、学会参加にともなう出張旅費などに充てます。
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Research Products
(4 results)