2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K00772
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
吉村 幸雄 四国大学, 生活科学部, 教授 (50122578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 亮太 四国大学, 生活科学部, 助教 (00552118)
吉村 英悟 桐生大学, 医療保健学部, 助教 (40728359)
鎌田 智英実 四国大学, 生活科学部, 助教 (50389160)
鈴木 公 龍谷大学, 農学部, 教授 (00094730)
川野 因 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80277681)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 買い物弱者 / 栄養素摂取量 / 食品摂取量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究チームは先に、北海道にて栄養調査を行った。買い物弱者が多い過疎地域では移動販売車による食品の購入が考えられたため、移動販売車を利用している高齢者に着目した。S市にある大型スーパーの店舗入り口にて調査員が調査趣旨を説明し同意が得られた高齢女性(店舗利用者)、およびT市を始めとする5市町村にて移動販売を行う車に同行した調査員が調査趣旨を説明し同意が得られた高齢女性(移動販売車利用者)の計257名から食事調査と食料品アクセスに関するアンケート調査を実施した。 本年度はこのデータを解析し、論文投稿を行った。 店舗利用者および移動販売車利用者の年齢は、それぞれ71.8±5.8歳、77.1±6.5歳であり、移動販売車利用者の年齢は有意(p<0.01)に高値であった。エネルギー摂取量においては、移動販売車利用者が店舗利用者よりも168kcal(p<0.01)有意に少なかった。また、店舗利用者と比較して移動販売車利用者の摂取量が有意に少なかった栄養素は、たんぱく質、脂質、炭水化物等であった。食品群で店舗利用者と比較して移動販売車利用者の摂取量が有意に少なかったのは、緑黄色野菜、その他の野菜、果実類等であった。 1週間の買い物回数が1回の者は2回の者よりもエネルギー摂取量が247kcal有意に少なかった。また、1週間の買い物回数が2回の者と比較して、1週間の買い物回数が1回の者ではたんぱく質、ビタミンD、ビタミンB2の摂取量が有意に少なかった。食品群では、1週間の買い物回数が1回の者は2回の者よりも卵類の摂取量が有意に少なかった。 移動販売車のみの利用者は、他の買い物手段を持つ者よりもエネルギーおよび3大栄養素の摂取量が減少していたことが判明した。特に、1週間の買い物において移動販売車を1回しか利用しない者では、さらにエネルギーおよびたんぱく質摂取量の低下が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移動販売車利用の高齢者の実態と栄養素摂取状況を確認することができた。 また、買い物回数が少ない場合は栄養素摂取量が少なくなることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、買い物弱者が住むT県N地区を対象に調査を行うように調整中である。 平成30年度は栄養改善策として、普段食べているおやつの代わりにたんぱく質補助食品を摂取させ、介入前後の栄養素摂取量や血液検査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は過去に行った調査の分析および論文作成に尽力した。よって予定していた旅費よりも実支出額が少なくった。 人件費については、一部の学生が研究として参加したため予定より減少した。 残高は、平成30年度にT県N地区にて調査を行うために必要な、血液検査キット購入費や交通費等に充てる予定である。
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