2017 Fiscal Year Research-status Report
生命現象を可視化し体験するライフサイエンス・バイオイメージング実習の構築と汎用化
Project/Area Number |
16K01004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沼山 恵子 東北大学, 医工学研究科, 准教授 (30400287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バイオイメージング / ライフサイエンス / 生命現象の可視化 / 実習教材開発 / 次世代人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、医療工学・生命科学分野の人材育成のために、平成27年度までの研究課題の成果と方法論も活用し、様々な生命現象を可視化して体験する実習コースを構築・実践する。 平成29年度は、JSTが主催していた中学・高校理科教員を対象とする合宿研修「サイエンス・リーダーズ・キャンプ(SLC)」を本学大学院医工学研究科主催の独自事業として8月に開催し、構築済の蛍光顕微鏡組立実習に加えて、愛媛大学SLCのコムギ胚芽抽出液を用いた無細胞タンパク質合成系によるGFPの転写・翻訳実験に、近赤外蛍光イメージング装置で2波長同時検出を行う In Gel Western 分析を組み込んだ生命科学実習を構築・実践した。蛍光顕微鏡組立実習は中高生から社会人まで対象のトランスグレード実習講座として7月にも開講した。10月には宮城県高等学校理科研究会の教材生物ワークショップを医工学実験棟に受け入れ、県内の高校理科教員等を対象としてウズラ胚の実体顕微鏡観察実習を開講した。12月には仙台市内の高校の出前授業で遺伝子組換え操作を体験する実習を行った。高校生理系選択者の校外研修、顕微鏡観察用の遊泳微細藻類の配付も引き続き実施した。一方、MRIやエコーを用いる画像診断実習の構築は滞っており、次年度はこれを優先的に進めたい。 高校生対象のひらめき☆ときめきサイエンスを夏休みに開催し、研究成果の社会還元も行った。JST主催の平成26~28年度SLCの事後評価結果は「S」で、委員会所見では「高等学校で実施可能な各種の実験を取り入れて研修を実施し、同時に教材を配付する等、積極的なSLCの有効活用を促す取り組みも評価される。」と本研究の成果が認められた。さらに、医療工学・次世代人材育成のための各種実習の中核を担ってきた功績に対して平成29年度東北大学総長教育賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
体験に基づくライフサイエンス分野の啓蒙・普及を図る実習については計画以上に進展したが、医用イメージング(画像診断)実習については動物実験の苦痛度分類の点で差し戻された動物実験教育研修計画書の見直しが滞っており、動物を用いた予備実習に着手できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験教育研修計画を再考して、再申請を行い、医用イメージング実習の予備実験とプロトコール・実習書作成を優先的に進める。引き続き「ひらめき☆ときめきサイエンス」事業も活用して、開発した実習の実践、研究成果の還元にも取り組む。
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Causes of Carryover |
(理由)病態モデルマウスを用いた動物実験計画について、実験における苦痛度分類(痛みのカテゴリ)の再検討を要することを指摘されて計画書が差し戻され、計画の修正を求められているが、滞っており、動物を用いた予備実験や購入する装置の機種選定を行えなかったため。 (使用計画)動物実験教育研修計画書を再申請して承認され次第、病態モデルマウスを取り寄せて病変の撮像に用いる最適なプローブの検討を行って、実習に最適な小型超音波画像診断装置を選定して購入し、MRIやCT、近赤外 in vivo イメージングも含めた実習プロトコールの作成と予備実験を行う。使用時期が計画より遅れているが、未使用額は当初計画通り、画像診断装置の購入と、動物の購入・飼育費用、実習用の薬品・試薬等の消耗品費、実習補助の学生謝金に充てる。
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Research Products
(16 results)