2016 Fiscal Year Research-status Report
初等中等オフキャンパス科学教育の高等教育への影響調査および企業等活用促進研究
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16K01032
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 浩義 慶應義塾大学, 医学部(日吉), 教授 (10213175)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 理数教育 / 初等中等教育 / オフキャンパス教育 / 大学院生 / 効果検証 / 企業等の活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、進展が著しい初等中等教育における特色ある理数教育では、高等学校における平成14年開始のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)や平成20年開始の未来の科学者養成講座などの長期継続が小学校・中学校の理数教育にまで影響を及ぼしている。一方で、これらの事業で学んだ生徒の進路・業績・周囲に対する影響等の調査は十分に行われて来なかった。 本研究課題では、この調査を実施すると共に、当該調査から課題を見出す。さらには、高大連携を実現できない地域、十分な設備環境を有さない高等学校に対する企業あるいは博物館の活用に関する教育企画を立ち上げると共に、その教育実践を通じて、その利点と問題点を明瞭にすることを目的とする。 1. 大学院生を対象とした調査:本調査は平成28年4月~平成29年3月の期間に、全国の大学の理工系学部に所属する修士課程あるいは博士課程の在籍者、及びこれらの課程を修了後3年以内の者を対象として実施した。本調査は各学部、各研究室の御承認を得た後に、アンケート調査票を各学部及び各研究室へ指示部数を送付した。アンケート調査票は、無記名であり、回答は自由意志であることを明記した。本年度は全国の29大学院の学生から回答があり、532名から有効回答を得た。配布数に対する回収数から計算された回答率は21.6%であった。 2. 小中高等学校と企業・博物館等をつなぐサイトの運営およびその授業実践:平成28年度は、製薬、食品、部品メーカーなど4社のご協力を得て、これら企業から講師を招聘し、中学生・高校生を対象とした講演会及び交流会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、大学院生対象アンケート調査を実施し、532名の有効回答を得た。また、当該調査をレポートとしてまとめ、多数の施設に頒布できた。また、企業等のご協力を得て、中学生及び高校生を対象とした理数教育を実践することが出来た。これらのことからほぼ目標は達成出来たと判断する。一方で、企業の厳密なコンプライアンス遵守や情報制限により、サイトの開設が叶わなかったことは残念であった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、大学院を対象とした調査を継続すると共に、本年度の結果を解析して、実際の教育現場へ応用可能な提言を実施する予定である。また、企業や博物館の理数教育への活用については教育実践を継続実施すると同時に、インターネットを経由しない情報提供の方法を考案する予定である。
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