2016 Fiscal Year Research-status Report
スマート機器などの環境3Dモデルを自動生成する環境教育支援システム
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16K01045
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Research Institution | Chukyo Junior College |
Principal Investigator |
村瀬 孝宏 中京学院大学中京短期大学部, その他部局等, 教授 (70342053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 健一 岐阜経済大学, 経営学部, 教授 (80259267)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環境教育 / 環境都市 / 学習支援システム / 再生可能エネルギー / 太陽光発電 / 3次元建物モデル / 自動生成 / 3Dモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】太陽光、風力、水力等の再生可能エネルギーによる発電・送電を制御する「スマート機器」や各発電施設の3Dモデルを作成し、3次元都市モデル上に載せれば、具体的に、メガソーラーなど「次世代発電施設」はどのような形態になるか、あるいは、「太陽光発電を最適化する建物や街並み」はどのような形態になるかなどの検討を行え、環境教育に資する。しかし、現状では、多大な時間と労力を掛け、3Dモデルを作成している。そのため、施設レイアウトや住宅等の電子地図に基づいて、次世代発電施設や建物の3Dモデルをプログラムで自動的に作成するシステム開発を行い、「スマート機器などの環境3Dモデルを自動生成する環境教育支援システム」を提案することを目的とする。 【研究の成果】2016年度の研究成果として、電子地図に基づいて、太陽光発電の最適化を目的とした3次元建物の自動生成システムを開発し、これにより利用者が「太陽光発電に適した街づくり」など環境問題や再生可能エネルギーの可能性を検討するケースにおいて支援することを可能とした。このような「再生可能エネルギーに適した街づくりのための3Dモデル」をテーマとした論文に加え、電子地図に基づき3Dモデルに自動生成するために、「3次元建物モデルの自動生成のための建物境界線の直角ポリゴン整形」をテーマとした論文を国内外の学会で発表した。あわせて、複雑な形状となる「太陽光発電に最適化した建物」、「スマート機器」の3次元モデリングを自動的に作成するするアルゴリズムの研究も進めている。 【研究の意義、重要性】本研究で開発されるシステムにより、環境教育を支援する教材となる、「環境3Dモデル」や「街並みの3Dモデル」の制作時間を大幅に削減でき、メーカーや環境学の研究者によって、設計案が異なるとき、それぞれの提案に応じた3Dモデルを提示できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、電子地図に基づいて、太陽光発電に適した建物の3Dモデルを自動生成するシステムを開発した。開発したシステムでは、一般的な屋根である「寄せ棟屋根」に太陽光パネルを配置するために、2枚の台形形状と三角形状の板屋根からなる寄せ棟屋根の形状や構造を明らかにし、そこへのパネルの配置手法を提案し、さらに、太陽光発電に適した建物として、太陽光発電の効率が高いとされる南向きの屋根を大きくした片流れ屋根の3Dモデルの自動生成手法をも提案した。本システムの活用事例として、「仮想の密集市街地」に対して、細街路を拡幅する等の一般的な区画整理を行い、その前後の街区、あるいは、太陽光発電に適した建物形状であるかないかで、太陽光発電がどのように変わるかを数値実験した。こうした3D仮想空間による環境教育の教材を提供することにより、街区レベルにおいて、敷地や建物を太陽光発電に適したかたちにして、再生可能エネルギーの利用を進めることを支援すると考えられる。 また、電子地図上の建物境界線が「頂角がほぼ直角の直角ポリゴン」である場合、それらを長方形の集まりまで分割して、これら長方形の上に、Box形状の建物本体や上から見て長方形の屋根を配置して、3次元建物モデルを自動生成する手法を提案してきた。しかし、手作業で建物境界線を描くため、建物ポリゴンは厳密に頂角が直角の直角ポリゴンではなく、また、不必要な分割をしてしまう場合もある。そのため、Box形状を組み合わせて作る建物で、Box間に「隙間」や「重なり」が生じる。本研究では、建物ポリゴンを互いに直交する、より少ない数の長方形の集まりに分割するよう整形し、精緻な建物の3Dモデルを自動生成する手法を提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、複雑な形状となる「太陽光発電に最適化した建物」、スマート化した柱上トランス等の「スマート機器」の3Dモデルを自動生成するために、機器の「ステレオ画像」と「輪郭線と特徴線を含む正面、側面イメージ」に基づいて、3次元モデルを自動的に作成するシステムの開発を目指す。このため、本システムは次の機能を備えシステムの研究・開発を行う。 (1)ステレオ画像から、通常、撮影の困難な正面、側面イメージをIBR(Image-Based Rendering)で生成する。(2)正面、側面イメージを背景図にして、対象物の全体の輪郭線、特徴部分の輪郭線、特徴線を、基本的にパターン認識で生成し、曖昧なところは手作業で線を描くか、または、パターン認識で生成された線を選ぶ。(3)これら輪郭線、特徴線から3次元モデルを自動生成する。(4) Web上に3次元モデルを展開し、共有・更新を行えるWebベースの支援システム。 これらの機能を実現するために、IBRにおけるエピポーラ方程式を推定し正面図、側面図(イメージ)を生成する。全体輪郭線の形に応じて、それを基本図形(長方形や楕円など)に分割・分離する場合、あるいは、全体輪郭線を分割せず、基本図形を割り当て、基本図形から3次元化した基本立体(直方体や円柱など)を、輪郭線、特徴線に基づいて、局所的に凹凸を付ける等の処理をして、3次元モデリングするアルゴリズム等を明らかにする。
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Causes of Carryover |
分担者 岐阜経済大学 杉原健一先生は当初、3月初旬に、国際学会で研究成果を発表する予定で、その出張旅費と参加費を当科研費で執行予定であったが、3月にカナダの大学との共同研究のため、カナダに出張し、国際学会参加をキャンセルした。その結果、当該助成金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該助成金は、本年度請求した助成金とあわせて、主に、本申請者と共に国際学会で研究成果の発表と意見交換、それから、最新の研究動向の情報収集等のために使用していく計画である。
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Research Products
(9 results)