2017 Fiscal Year Research-status Report
動物園における飼育記録の時系列に着目した記録体系の構築とそのメタデータ化
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16K01207
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Research Institution | Advanced Sclene, Technology & Management Research Institute of Kyoto |
Principal Investigator |
吉田 信明 公益財団法人京都高度技術研究所, 研究開発本部, 副主任研究員 (00373506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正之 京都大学, 野生動物研究センター, 特任教授 (80280775)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 動物園 / 情報システム / 教育システム / 映像配信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,動物園における飼育記録について,内容に基づいた検索・提示が可能な飼育記録管理システムを実現することを目的としている.前年度の研究では,システムに蓄積されている飼育日誌1年分の記録内容の分析を行い,その内容や時系列的変化について調査を行った.この結果を踏まえ,実際の飼育現場で,このような記録がどのように作成されているか,飼育員らの行動観察を行った.この観察を通じ,飼育現場では,飼育日誌には記録されていない様々な情報を活用・蓄積していることが明らかになった.現状の飼育日誌は飼育業務での事後活用が困難であるという課題を抱えている.観察から,この原因として,飼育現場は飼育に必要な情報を個別に管理しており,あえてシステムに登録する必要性が薄い,という点が考えられる.より効果的なシステムの実現には,この点を踏まえた設計が必要である.
あわせて,動物園において最も多く蓄積されている電子データである監視カメラ映像の活用について,実験を行った.このようなデータは,飼育業務に加え,動物園のサービスへの活用が望まれる.特に,動物園の重要なサービスとして「環境教育・命の教育」があり,このような教育プログラムにおいて,インターネットを通じた動物の観察を一定の長期間おこなうことを想定し,周産期のブラジルバクの夜間映像の配信実験を行った.長期にわたるプログラムでは,動物園,特に飼育現場に負担にならないこと,生きた動物を扱うことによる一定のリスクに備えることが求められる.そのため,この実験では無編集の映像をタイムシフト配信(前夜の映像を翌日配信)するシステムとした.主として教育関係の参加者からのアンケートからは,このような映像の利用可能なプログラムの方向性が示された.加えて,このようなプログラムで使用する配信システムの要件についても明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飼育管理システムについては,飼育員の行動観察の結果分析に基づいて,システム試作に必要な要件を明らかにし,設計・試作に着手した.
また,このような飼育記録に対応付けられる動物園の多様なデータへの対応については,特にビデオ映像について,特に動物園における教育の観点から有効なメタデータ付与の可能性について,明らかにすることができた.現在設計中のシステムでは,これらも踏まえた設計を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として,実際にシステムの設計を行い,このシステムを用いた実験を計画している.実験は,実際に動物園で作成したシステムの試験運用を行い,飼育員による評価で行う計画である.この中では,特に,現場主導型で非定型的な業務である飼育現場の実情に基づいた検証を行う.非定型的な業務では,定型的な業務に比べて,効率化が見えづらいことから,システム導入にむけた現場のハードルが高いと考えられる.特に,実験では,このような飼育現場に適したシステムを,無理なく導入するためのプロセスの検証まで想定する.
あわせて,このようなシステムと,ビデオ映像とメタデータを統合管理するシステムとを連携可能とすることで,映像も含めた多様な情報を飼育業務に有効活用できるシステムを実現する.
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Research Products
(5 results)