2017 Fiscal Year Research-status Report
野外計測と風洞実験によるメガリップルの形態・動態特性と形成条件の解明
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16K01219
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小玉 芳敬 鳥取大学, 農学部, 教授 (50263455)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メガリップル / 風洞実験 / 形態特性 / 侵食域 / 砂面低下域 / Great Sand Dunes / 鳥取砂丘 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度には,北海道天塩地域に発達する横列砂丘群とパラボリック砂丘群の観察・調査に出かけた。これらの砂丘の一部においてメガリップルが見られないかとのねらいであった。砂丘形態や規模の南北変化を,遠別川や天塩川からの土砂供給を視野に入れながらの観察となった。砂丘形態の系統的変化の観点では興味深かった。しかし内陸側に位置するパラボリック砂丘においても植生被覆が激しく,activeな砂丘は海岸沿いの砂丘に限られた。そこでは残念ながら,メガリップルを見つけることができなかった。 完成させていた風洞実験装置が台風の強風被害で一部破損し,再度組み立て直す必要が生じた。このため,メガリップルの形成実験の再計測にまでは至っていない。人に見せるために,これまで幾度もメガリップルの形成デモ実験はしてきており,形成条件も捉えられているので,最後の計測を残すのみの段階である。 2016年に訪れたGreat Sand Dune におけるメガリップルの形態測定の結果は,侵食区域でメガリップルが作られる事を支持するものであった。風による侵食に伴う飛砂量の増減がメガルップルの縦断面形態によく現われている事が明らかになった。次回のGreat Sand Dunes訪問時には,細礫の分布域とメガリップルの形成領域の関係性を実測に基づき明らかにする。そのため,2017年度にGNSS測量機器を一部購入し,その準備に取りかかっている。 メガリップルの形成に関する論文執筆が計画より遅れている。台風により風洞が破損し,再確認の計測実験が実施出来ていないためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度より鳥取大学附属小学校の校長職兼務となり,時間の制約がきびしくなったため。また台風の強風被害で風洞実験装置の一部に破損が生じたため.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度には,風洞実験場の風洞装置の配置を変え,強風被害を緩和する方策をとる。そのうえで,再度目的の風洞実験装置をくみあげ,メガリップルの計測実験と,saltationとreptation粒子の軌道に関する風洞実験を試みる。その後,論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
2017年度には,USA調査を見送り,現地測量の効率をあげる装置の一部を購入した。残額は6,640円とわずかである。
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