2023 Fiscal Year Annual Research Report
2-dimensional n-person real options problem and its calculation algorithm
Project/Area Number |
16K01248
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
八木 恭子 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (80451847)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 確率的SIRモデル / ロックダウン / 最適停止問題 / 確率制御問題 / リアルオプション |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年12月に新型コロナウイルス感染症がWHOによって初めて認識されてから 4 年以上が経過した.当初,決定的なワクチンや効果的な治療法が無い中,多くの国の意思決定者は,経済活動への社会的影響と医療負担との間の実質的なトレードオフである深刻なロックダウンの問題に直面した. 本研究では,SIRモデルにいくつかの修正を加えた感染症に対する確率制御モデルを考察した.感染した患者は回復状態または死亡状態に移行する可能性があり,回復した患者は一定の確率で再び感染の可能性あるモデルを考えた.さらに,SIRモデルの枠組みの中で,感染症および非感染症による死亡者数も考慮した.本研究は,数学的な導出だけではなく,特にロックダウンに関する意思決定の状況下において,感染症対策との実際的な関連性にも重点を置いている.特に,ロックダウンの実施が人々へのウイルス感染にどのような影響を与えるかを調べ,パンデミック中の感染率と致死率を軽減するために意思決定者が医療にリソースをどのように配分すべきかを分析した. 本研究では,パンデミック時の期待割引費用を最小化することで,最適なロックダウン政策と医療リソースの配分を分析した.SIR モデルはシンプルな設定のため,不確実性のある新型コロナウイルス感染症のすべての側面を組み込んでいるわけではない.それに対して,本研究のモデルは,パンデミックへの対応に関する重要な情報を政策立案者 (中央政府や大都市,地方都市) に提供することができる.本研究と既存研究の主な違いは次のとおりである.1) 最適な政策はロックダウンのタイミングと医療リソースの配分を確率的SIRモデル内で決定することである.2) 最適な政策は,感染レベルや回復率,致死率だけでなく,感染者数に対する価値関数の限界費用にも依存する.3) 最適な政策は,2つのシンプルな閾値で表すことができる.
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Research Products
(4 results)