2017 Fiscal Year Research-status Report
筋弾性蛋白質コネクチンの心臓におけるメカノセンサー機能解明
Project/Area Number |
16K01385
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
花島 章 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70572981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80341080)
氏原 嘉洋 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80610021)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Connectin / Coronary circulation / heart / molecular evolution / vertebrate |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓は力学的環境に応答して、各々の心筋細胞内の構造を変化させることで、心臓のポンプ機能を規定する拡張能や収縮力を増減させ、血圧や血液拍出量を調節しているが、その制御メカニズムについてはあまり明らかにされていない。本研究では、心筋細胞の力学的環境の変化は、筋弾性蛋白質コネクチンのI帯弾性領域によってメカノセンシングされていることを明らかにすることを目的としている。本年はまず、コネクチン弾性領域が心臓のメカノセンサーであることを、結合タンパク質を同定して解明するため、コネクチンI帯弾性領域に結合する新規メカノセンシング関連蛋白質を酵母2-ハイブリッド法にて探索し、2つの候補を得た。また、コネクチンI帯領域全長を心筋細胞内で発現させてメカノセンサーとしての機能を解析するために、コネクチンI帯領域全長(N2Bアイソフォームでは約20,000bp)のクローニングを目指し、そのうちのアミノ末端側半分を含む、現在報告されている中で一番小さなコネクチンアイソフォーム(約16,000bp)の全長を、哺乳類細胞遺伝子導入用ウイルスベクター内にクローニングすることに成功した。さらに、様々な脊椎動物の心形態・機能とコネクチン弾性領域の関連性を解明するために、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、硬骨魚類、軟骨魚類の心筋コネクチンのI帯弾性領域の一次構造を、より多くの種類について決定した。今後、ヒト心臓との比較生物学的解析を進め、コネクチンメカノセンシング機構の体系化を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術的に困難であるが、研究課題を進めるうえで鍵となる巨大蛋白質のクローニング法を確立出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた候補蛋白質の解析、作製出来たウイルスベクターを使った遺伝子導入実験、新しく導入された装置を使用した分子張力測定など、当初の計画に沿って研究を進める。
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Causes of Carryover |
懸案となっていた技術的困難の解決に、費用をあまりかけずに取り組んだため。次年度の実験は多くの試薬・キットや受託解析が必要な実験ばかりであり、残りの研究費は主に消耗品の購入に使用する。
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[Presentation] 伸びることを拒んできた私達哺乳類の心臓:心室拡張機能の進化的考察2017
Author(s)
本田威, 田村太志, 花島章, 氏原嘉洋, 山澤隆彦, 古川博史, 橋本謙, 渡部芳子, 柚木靖弘, 田淵篤, 種本和雄, 毛利聡
Organizer
第110回日本循環器学会中国・四国合同地方会
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