2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanosensing function in heart by a muscle elastic protein connectin
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16K01385
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
花島 章 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70572981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80341080)
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コネクチン / 心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓は血液循環を通じて酸素や栄養を全身に供給することで生体の活動性を規定している。その際、力学的環境に応答して各々の心筋細胞内の構造を変化させることで、心臓のポンプ機能を規定する拡張能や収縮力を増減させ、血圧や血液拍出量を調節している。心臓拡張能は、受動的張力を発生させサルコメア構造を維持する役割を果たしているバネ蛋白質コネクチンによって主に規定されるが、コネクチンが力学的情報を感知するメカノセンサーとして働く仕組みについてはあまり明らかにされていない。本研究では、バネ蛋白質コネクチンがメカノセンサーとして働き、心臓の構造と機能を調節していることを多角的に解析した。まず、心臓で多く発現しているがその機能が未解明なコネクチン結合蛋白質の遺伝子改変マウスを解析し、その特徴を探った。その結果、心臓の構造に大きな差が見られないが、心筋コネクチンの発現量や、心筋細胞のカルシウム回収に関わる蛋白質量が増加していることを見出した。また、薬剤投与による右心不全モデル動物を作製し、心臓力学特性変化によってコネクチンが長いバネ領域を持つアイソフォームに変化することを明らかにした。さらに、軟骨魚類や硬骨魚類心臓の構造とコネクチンについて比較生理学的解析を行った結果、軟骨魚類コネクチン弾性領域は遺伝子上、独自進化の領域を持つが、心臓においてはスプライシングにより取り除かれて、哺乳類や鳥類の成体心臓と類似した短いコネクチンとなっていること、硬骨魚類では哺乳類の祖先的なコネクチン弾性領域の構造が保持されていることなどが明らかとなった。
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