2017 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーション技術確立のための運動学習における行動柔軟性に関する基礎研究
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16K01449
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
米田 貢 金沢大学, 保健学系, 准教授 (70334787)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
少作 隆子 金沢大学, 保健学系, 教授 (60179025)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 運動学習 / 行動柔軟性 / オペラント行動 / カンナビノイド / ドーパミン / 確率的選択課題 / テオブロミン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、リハビリテーションにとって重要な運動学習の神経基盤を明らかにすることをめざしている。研究には、我々が開発したマウスの順序及び運動学習モデル「3レバーオペラント課題」の実験系と、ヒトの大脳基底核系の強化学習回路を評価する「確率的行動選択課題」を用い、その学習過程および逆転学習課題における行動柔軟性に関わる神経基盤を調べている。本年度は、以下を明らかにした。
（1）昨年度に前倒しで行ったカンナビノイド合成酵素であるDGLα-KOマウスのオペラント実験を継続し、行動障害を明らかにした。（2）これまでに行った学習行動を障害（カンナビノイド合成酵素であるDGLα-KOマウスおよびCB1-KOマウス）と学習行動を促進（テオブロミンを摂取させたマウス）のレバー押し行動のパターン解析を行い、行動特性を明らかにした。（3）MPTP の投与によるパーキンソンモデル(PD)マウスにおいて、ドーパミン神経細胞の脱落が不十分となる理由が試薬の保存状態によることが明らかになった。（4）本来の計画には含めていなかったが、大脳基底核のドーパミンの重要性を検証するために、ドーパミンD2受容体ノックアウトマウスの繁殖の準備を整えた。（5）確率的行動選択課題について、精神疾患患者を対象に調べ、行動選択および行動の柔軟性の障害が推測された。
本研究の「3レバーオペラント課題」の実験系と、ヒトの「確率的行動選択課題」の実験系は、運動学習における行動柔軟性を調べる上で有用であり、今後、カンナビノイド系とドーパミン系が行動獲得および適応に重要な役割を担うことを明らかにできると考えられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「平成28年度の研究実施計画」に記載されていた実験の一部は、計画した実験モデル動物の作成方法により予測した結果を得られなかったため、再度検討が必要となっていたが、原因を特定し、対象方法を確認できた。また、検討の過程で当初の計画にはなかったドーパミン受容体のノックアウトマウスで研究を進める準備を整えることができた。一部当初の計画通りに進まなかったが、適切に対応し、結果として新たに研究の発展性が加わった。
昨年度までに前倒しで行った「DGLα-KOマウスの行動解析」と「テオブロミン摂取マウスの行動解析」の結果、学習を障害と促進の両方のデータを得ることができたことで、行動特性をパターン解析できることを示した。これは、行動の柔軟性の要素として、何が必要であるかを分析する上で重要である。
確率的行動選択課題を用いた臨床研究を同時に進めることができた。本研究の基礎研究がより臨床に役立てられると考える。
以上より、一部研究計画に変更はあったが、適切に対策を講じて目的の研究を実施できていることから、総合評価として、「2.おおむね順調に進展している」と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、ドーパミンD2受容体のノックアウトマウスの行動解析、MTPT投与パーキンソンモデルマウスの行動解析を行い、「3レバーオペラント課題」が大脳基底核依存性の課題であることを明らかにする。
さらに確率的選択課題を用い、精神疾患患者の行動の柔軟性の問題を調査する。
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| Causes of Carryover |
プリンターのトナーカートリッジを購入するには金額が足りなく次年度に繰り越した。今年度はドーパミン受容体のノックアウトマウスの行動実験を行うために予算を使用する。他の使用計画については、当該年度とほぼ同様である。
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