2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者に対する舌厚評価を交えた呼気筋トレーニングの効果検証
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16K01485
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (60747632)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 呼気筋トレーニング / 舌厚 / 高齢患者 / 呼吸機能 / 嚥下機能 / 口腔機能 / ADL |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度・29年度における本研究の目的は、高齢入院患者における栄養状態を反映する舌厚と呼吸機能・嚥下機能・口腔機能検査指標、ADL能力との関連性について検討することであった。加えて、舌圧についても同様に検討した。 医療法人小川病院に長期療養で入院中の高齢患者40名に超音波測定による舌厚と呼吸機能、嚥下機能、口腔機能、ADLについてデータ測定ならびに調査を実施した。統計解析には、舌厚・舌圧と患者特性、握力、筋量、骨格筋指数、呼吸機能検査値・呼吸筋力値・反復唾液嚥下回数・改訂水飲みテスト点数、口唇閉鎖力、バーセルインデックス、歩行能力の関連性について単変量解析および一元配置分散分析にて、さらに従属変数を舌厚、舌圧とし、独立変数にこれらに関連のある因子により重回帰分析を実施した。なお、有意水準は5%とした。 結果、舌厚と口唇閉鎖力・舌圧・最高吸気筋力・バーセルインデックス・改訂水飲みテスト点数に有意な中等度の正の相関(r=0.44-0.60)、舌圧と口唇閉鎖力・最高吸気筋力・バーセルインデックス・認知機能・BMI・膝伸展筋力・握力・上肢筋量に有意な中等度以上の正の相関(r=0.44-0.71)を認めた。さらに、歩行能力として分類した歩行自立・歩行要介助・歩行不可の間に有意な差の指標はなかった。重回帰分析では、舌厚で口唇閉鎖力(標準偏回帰係数0.611)のみが、舌圧では最高吸気筋力(標準偏回帰係数0.688)のみが抽出された。 長期療養中の高齢患者の栄養状態を反映する舌厚は口唇閉鎖力・舌圧・呼吸機能・嚥下機能と関連する一方、舌圧はそれらに加えて、認知機能・栄養指標・筋力・筋量とも関連していた。また、舌厚、舌圧ともにADL能力と関連していた。さらに、舌厚、舌圧は全身状態を反映する指標ではなく、口唇閉鎖力や最高吸気筋力に影響されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢入院患者における栄養状態を反映する舌厚と呼吸機能・嚥下機能・口腔機能検査指標、ADL能力との関連性について検討し、舌厚は口唇閉鎖力に影響されるとの結論を得られたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降の2年間で呼気筋トレーニングの介入研究を実施する予定である。
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