2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者に対する舌厚評価を交えた呼気筋トレーニングの効果検証
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16K01485
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (60747632)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 呼吸筋トレーニング / 舌厚 / 高齢患者 / 呼吸機能 / 嚥下機能 / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度における本研究の目的は、平成30年度に続いて、長期入院中の通常口腔ケアを実施している高齢者に呼気筋トレーニング(EMST)の介入効果を検討することであったが、Covid-19感染状況下のため、臨床研究を実施することができなかった。なお、本研究に関連する呼吸筋トレーニングについての内容を包含した第30回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会にオンラインで参加し、最新の知見を得た。 特別講演「フレイル・サルコペニアの最前線」では、フレイルは要介護状態の前段階であり、サルコペニアは骨格筋量、筋力、歩行速度が低下する病態である。これらの早期発見・早期介入が重要であり、介入手段としては運動療法と栄養療法が主となる。これらの診断基準の改訂、最新の治療ガイドラインについての解説がなされた。Pros & Cons(賛否両論)セッション「呼吸器リハビリテーションにおけるPros & Cons」で、賛成、反対の立場から1.術前患者に呼吸練習を適用するか?、2.COPDを含む呼吸器疾患患者に呼吸筋トレーニングを行うか?、3.挿管・人工呼吸管理中に歩行練習を行うか?について討論があった。特に、2では吸気筋力が低下している患者ほど呼吸筋トレーニングの効果が得られやすく、本トレーニングにより運動耐容能が改善する機序が明らかになっている。しかし、呼吸筋力が改善しても間接効果としての呼吸困難や運動耐容能が改善しない報告も散見された。一般演題では、本研究に関連する演題が2題のみで非常に少なく、そのうち1題は介護老人保健施設入所者に対する呼気筋トレーニングが摂食嚥下機能に及ぼす影響、もう1題は心疾患患者に関するものであった。したがって、本研究における令和2年度までの研究実績はこれまでに報告されていない成果の一部を得られたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力施設がCovid-19感染状況下において感染防止徹底のため、外部者の訪問及び入院患者との接触を禁止し、高齢患者を対象とする臨床研究を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では、データ解析と解析結果を再検討し、論文投稿を実施する方針である。なお、我が国でのCovid-19感染が収束し、研究協力施設での臨床研究が再開できれば、研究計画に基づき、対象者を増やせる可能性も残している。
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Causes of Carryover |
Covid-19感染流行により令和2年度に臨床研究が実施できなかったため、令和3年度には論文投稿を実施する予定である。なお、令和3年度に臨床研究が再開できれば研究実施に必要な消耗品等を購入する計画である。
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