2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K01492
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Tokushima National Hospital |
Principal Investigator |
有井 敬治 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (70644855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋 逸郎 中部学院大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (20649131)
大脇 裕子 中部学院大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40769030)
三ツ井 貴夫 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (80294726)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 太極拳 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はパーキンソン病を含む神経難病に対する独自のリハビリテーションを実施している。そのなかで、独自に気功の要素を取り入れて太極拳メニューを考案し、リハビリテーションに取り入れてきた。本太極拳は体幹筋や横隔膜の増強を意図した動きを加え、呼吸機能の改善を意図して作成された。しかしながら呼吸機能は呼気・吸気の関門である喉頭・声帯の機能に直接的影響を受けるため、太極拳自体の呼吸機能に対する効果は限定的であった。一方、パーキンソン病関連疾患では構音・嚥下機能障害は予後を左右する極めて重要な因子であるものの、特別な対策は取られないままとなっていることが問題であった。そこで我々は喉頭機能の増強を介した呼吸機能の向上を目的に、発声を伴う太極拳を新たに考案した。本研究では、パーキンソン病の種々の運動症状、特に発声・嚥下・呼吸機能に対する効果を検討した。 徳島病院では長年パーキンソン病をはじめとした神経難病に対する、新しい観点からのリハビリテーションに取り組んでいる。我々は早くより太極拳の有用性にも着目し、2011年から専用プログラムを作成し、その効果を検証した。その結果、パーキンソン病に対して運動・非運動症状に対して全般的な効果が認められた。一方、同疾患における予後を規定する因子である構音・嚥下障害に対する効果は乏しい印象があった。これには、現在の太極拳では発声を伴う動作を伴わないことが関連していると考えられた。我々は気功の「六字訣」を太極拳に融合させた、発声を伴う太極拳を考案し、これを「ホーネーション・タイチ」と命名した。本研究は発声太極拳のパーキンソン病関連疾患をはじめとした神経難病に対する運動・精神機能に対する効果を検討した。そして、特に発声・嚥下機能に対する効果を検証することを目的として行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は自宅で患者が各自に太極拳をトレーニングすることができるセルフトレーニングDVDをNPO法人日本健康太極拳協会の全面的な支援を得て作成した。そして、文書同意(倫理委員会で承認済)が得られた患者にセルフトレーニングのためのDVDを無償配布しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はパーキンソン病関連疾患の入院患者に対し、発声太極拳を実施し、その効果を検討する。我々は既に「ホーネーションタイチ」のDVDを試作している。入院期間中に在宅での太極拳実施を前提にDVDの有効性と安全性を検証し、最終版のDVDを完成させている。さらに外来患者に対しても在宅太極拳の指導を行いその効果を検証する。今後は在宅太極拳開始後、1年・2年後の効果を対照群と比較することで長期効果を検証する。その有用性が確認された場合には、他施設に共同研究参加の提案を行う予定である。
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Research Products
(2 results)